怖い話と怪談の処

ブログ名の最後の文字は(ところ)と読みます。怖い話や不思議な話が大好きな方、是非ご堪能下さい。記事への★ありがとうございます。

シリーズもの

田舎のじいちゃん 山の祠で手を合わせるもの

じいちゃんがまだ独り身で、親と仕事をしていた時の事。 親から休みを貰い、気晴らしに一人旅に出た。 目的地は観光地として有名というわけでもない、地方の低い山だった。 登山といっても本格的なものじゃない。 地元の人が使う山道を辿るような、半日もあ…

田舎のばあちゃん 乾いた池の“白い舟”

ばあちゃんがまだ小学生だった頃の話。 村の外れに、夏の季節になると水がすっかり引いてしまう池があった。 雨がほとんど降らない年には池は完全に干上がり、底の泥がひび割れて広がっていたという。 大人たちは「あそこは危ないから行くな」と言っていたが…

田舎のじいちゃん 麦山の“横目の獣”

じいちゃんがまだ十歳にも満たない頃。 村のあたり一面は麦畑だらけだったらしい。 麦の穂が風に揺れると、金色の波がざわざわと続いて、どこまでも広がる景色は子どもには楽園みたいだったという。 その麦山のふもとは、昼でもひっそりとした空気が漂ってい…

田舎のばあちゃん 畑に立つひとだまし

ばあちゃんがまだ二十代の頃の話。 当時の村は今よりもっと家も人も少なくて、夕方になると畑一帯がひっそりとしていた。 ばあちゃんは毎日のように、家の裏の畑で芋や野菜の世話をしていたらしい。 その日も空が少しずつ群青色に沈み始めるころ、畑仕事を切…

田舎のじいちゃん 古井戸の中を泳ぐ顔

じいちゃんが子どもの頃の話。 家の裏手にある古井戸のまわりだけ、なぜか風が通らないような、むわっとした空気が溜まっていたらしい。 家族はその井戸のことをあまり話したがらなかったが、理由までは教えてくれなかったという。 ある晩、じいちゃん(当時…

田舎のじいちゃん 山道を歩く「首だけが振り向く男」

じいちゃんがまだ中学生だった頃、夏休みの夕方に体験した出来事。 じいちゃんの家の周りは田んぼと山に囲まれた土地で、学校からの帰り道はいつも山の斜面を通る細い舗装路だった。 夏の夕方は、山の陰が早く落ちて涼しくなるが、そのぶん道は薄暗く、蝉の…

田舎のじいちゃん 納屋に現れた「逆さの影」

じいちゃんが二十代の頃の話。 その日は秋の収穫が終わった後、納屋で道具の手入れをしていた。 夜の八時過ぎ、家族はすでに夕飯を終えて休んでいたが、じいちゃんは一人納屋に籠もっていた。 農具の刃を研ぎ、縄を巻き直し、翌日の準備をしていた。 納屋は…

田舎のじいちゃん 川辺で聞いた「笑う声」

じいちゃんがまだ小学校低学年だった頃の話。 その日は夏の終わりで夕方近く、日が傾き始め、空が赤く染まり始めていた。 じいちゃんは近所の友達と別れたが、遊びたりなかったじいちゃんは、一人で川辺に向かった。 家の裏手を少し行ったところに流れるその…

田舎のじいちゃん 山の畑で見た「顔のない鹿」

じいちゃんがまだ二十代だった頃の話。 秋の終わり、山の畑で夜明け前から作業に向かっていた。 山間の畑は冷え込みが厳しく、霧が立ち込めることもある。 じいちゃんは霜が降りる前に収穫を終えようと、まだ暗い中を懐中電灯ひとつで畑に向かった。 畑に着…

除霊師の一族:第四話 - 追憶の教室

藤原結衣はある日、高校時代の先輩、松本亮から連絡を受けた。 亮は結衣の高校時代の仲の良い先輩で、結衣が除霊師の力を使うことを知る数少ない一人だった。 彼は今、地方の小さな町で教師をしていたが、最近その町の学校で奇妙な現象が頻発しているという…

除霊師の一族:第三話 - 邪霊の館

ある日、結衣のもとに助けを求める手紙が届いた。それはある古い館に住む家族からのもので、館では夜な夜な奇妙な音や影が現れ、家族全員が恐怖におののいているという。 結衣は館の所在地へと向かった。館の門をくぐるとすぐに異様な気配を感じ取った。 館…

除霊師の一族:第二話 - 村の祟り

ある日、結衣のもとに一通の手紙が届いた。手紙は遠くの村からで、奇妙な出来事が続いているという内容だった。村人たちが次々と原因不明の病に倒れたり、家畜が急に死んでしまったりしていた。 結衣はその手紙に記された村へと向かった。村の入り口で待って…

除霊師の一族:第一話 - 藤原結衣(ふじわらゆい)

藤原結衣は20代半ばの女性で、除霊師の家系に生まれた。その家族は代々悪霊を退治し、浄化する力を受け継いできた。 結衣の両親もまた除霊師として名高い存在だった。幼い頃から霊の存在を感じることができた結衣は、自然とその力を受け入れ訓練を重ねてきた…