Eさんが小学生の頃、友人の家の地下室で遊んでいると、地面から囁き声が聞こえてきた。
耳を澄ますと「出て行け」と繰り返している。
驚いて友人に話すと彼も同じ声を聞いたという。
二人は怖くなり、その事を大人に伝えた。
大人たちは最初は信じなかったが、子供たちと一緒に地下室を調べることにした。
友人の父親がその場所をハンマーで軽く叩いてみると、一部が空洞になっていることに気づき、その部分を壊してみた。
すると中から封がされた古い壺が出てきた。
大人たちはその壺を良くないものかもしれない、という事で神社に持っていったそうだ。
Yさんが中学生の頃、友人たちと肝試しと称し、昼間に近くにある廃病院にやってきた。
持ってきた懐中電灯で照らしているが、内部は薄暗く不気味な雰囲気が漂っている。
恐る恐る廊下を進むと、不意にすぐ横の部屋の中で何かが動いた気配がした。
Yさん達は懐中電灯を照らしてみると、部屋の奥に異様にリアルな人形が置かれている。
こわっと言いながら見ていると、突然、懐中電灯が点滅し、人形の位置が変わっていた。
慌てて一斉にその場を離れようとした瞬間、背後から「待って」という囁く声が聞こえた。
Yさんたちは叫びながら急いで廃病院を後にした。
次の日、学校で咲夜の事を話していると、友人の腕に人形のものと思われる小さな手形が残されていた。
Sさんが山の中の古い旅館に泊まった時の事。
ふと深夜に目が覚めてしまい、ついでだからトイレに行くか、と起き上がって電気を付けた。
その時何気なく押入れの上にある天袋を見ると、天袋から何かが出ている。
なんだ?と思ってよく見てみると、人の顔がこっちを見ていた。
「え?」と驚いていると、その顔は急いで引っ込んだ。
怖くなったSさんは、急いで旅館のフロントに駆け込み状況を説明すると、旅館のスタッフの顔色が変わり、すぐに別の部屋に案内された。
泥棒じゃないですか?と言ったが、泥棒ではありませんと言われ、お客さんは感が鋭い方のようですね、と言われたそうだ。
廃墟巡りが好きなLさんは、夜遅くに廃墟と化した古い洋館にやってきた。
その廃墟は1つの部屋が鏡張りになっているという鏡の間があるとの事だった。
1つ1つ部屋を回っていると、部屋全体が鏡張りの部屋を見つけた。
本当に鏡張りだ!と面白がって懐中電灯を照らして見ていると、1つの鏡に映っているLさん以外に俯いている女性が映っていた。
部屋を見渡してもLさんしかいないし、不思議な事にその女性が映っているのはその鏡のみ。
怖くなったLさんは急いで逃げ出した。
すると洋館を出たところで見回りにきた管理人さんに見つかり、その事を話したが信じてもらえず「今度来たら警察を呼ぶからな」と言われた。
幽霊も怖いけど警察も怖い、とLさんは話していた。