怖い話と怪談の処

いつも☆くださる方、ありがとうございます。このブログは知り合いから聞いた話や、思いついた話を載せていきます。完全に自作した話やAIにアイデアを貰った話、心霊系動画に使えそうな素材等を置いていきます。

お盆の夜の肝試し

お盆の夜、Sさんと友人たちは夏の恒例行事として、肝試しに出かけることにした。

目的地は地域の外れにある古いお寺の跡地だった。

 

時間は23時過ぎ、懐中電灯やスマホのライトを手にしたSさんたちは、お寺の跡地へと向かったのだが、途中で奇妙な音や影に驚かされながらも、なんとか目的地にたどり着いた。

お寺の跡地は、朽ち果てた石像や苔むした石段が残る静かな場所だった。

Sさんたちはその場で肝試しを始め、順番に一人ずつ境内を歩いて戻ってくるというルールにした。

 

最初に行ったのはAさんだったが、戻ってきた時の顔は青ざめていた。

「何か見たのか?」

と友人たちが尋ねると、Aさんは震える声で答えた。

「石像の影が動いた気がするんだ…」

次に行ったBさんも、同じように怯えた様子で戻ってきた。

Bさんは

「古いお堂の方から、誰かがぶつぶつ呟いている声が聞こえた…」

と話した。

最後にSさんが行く番になった。

Sさんは友人たちの話を聞いて少し不安になったが、勇気を振り絞って境内を歩き始めた。

静寂に包まれたお寺の跡地を歩くうちに、Sさんは奇妙な感覚に襲われた。

背後から誰かに見られているような気がする。

ふと振り返ると遠くに薄ぼんやりとした人影が見えた。

その人影はSさんをじっと見つめているように見えた。

Sさんは恐怖を感じ急いでその場を離れようとしたが、足がすくんで動けなかった。

その時、背後から誰かがぶつぶつと何かを呟いている声が聞こえた。

心臓がバクバクと音を立てる中、Sさんは全力でその場を駆け出した。

 

友人たちの元に戻ると、Sさんは息を切らしながら

「ここを出よう」

と叫んだ。

皆もSさんの恐怖を感じ取り、すぐにその場を離れることにした。

帰り道、彼らは何度も道を間違え、同じ場所を何度も通り過ぎるような感覚に陥った。

周囲は深い霧に包まれ視界がどんどん悪くなっていく。

まるで何かに邪魔されているような感覚だった。

 

ようやく家の近くに戻ったSさんたちは、みんな疲れ果てていた。

家に帰ってからさっきの出来事を爺さんに話すと、お盆の夜は霊が活発になると言われ

「肝試しには行くべきではなかったな」

とニヤニヤしながら言われた。