とある地方の小さな村に一軒の古びた洋館があった。
その館は「白い館」と呼ばれ、村人たちの間で恐ろしい噂が囁かれていた。
昔、その館には裕福な一家が住んでいたそうだ。
美しい庭園と広々とした部屋を持ち、村人たちから羨ましがられていた。
しかしある日突然、その一家は姿を消してしまった。
誰もその理由を知らなかった。
数年後、村に新しい住人のKさん一家が引っ越してきた。
彼らは白い館の歴史を知らず、安く売られていたのを買ったのだ。
引越作業をなんとか終えたその日の夜、奇妙な出来事が起こった。
夜中、Kさんが目を覚ますと、どこからともなく子供の笑い声や、誰かが歩き回る音が聞こえてきた。
怖いが買ったばかりだし家を出ていくわけにもいかない。そう思ったKさんは奥さんや子供には言わないようにしていた。
ある晩、またKさんがが目を覚ますと、ベッドの足元に白い服を着た少女が立っていた。
少女はじっと彼を見つめ、こう言った。
「一緒に遊ぼうよ」
驚いて目をこする彼が再び目を開けると、少女の姿は消えていた。
それ以来、家族全員がその少女を見るようになり、やがて彼らも村から姿を消してしまった。
白い館は再び無人となり、村人たちは決して近づかなくなった。
今でも夜中にその館の近くを通ると、誰かが遊んでいるかのような子供の笑い声が聞こえると言われている。
村人たちはその館を「白い館」と呼び、夜になると絶対に近くを通ろうとしないそうだ。