藤原結衣は20代半ばの女性で、除霊師の家系に生まれた。その家族は代々悪霊を退治し、浄化する力を受け継いできた。
結衣の両親もまた除霊師として名高い存在だった。幼い頃から霊の存在を感じることができた結衣は、自然とその力を受け入れ訓練を重ねてきた。
ある日、結衣のもとに一通の手紙が届いた。それは古い友人からの依頼だった。手紙には友人の家に取り憑いた悪霊の話が書かれていた。その家では夜になると異常な音や影が現れ、家族全員が不安な日々を送っているという。
結衣はすぐに友人の家に向かった。玄関先で迎えてくれたのは友人の幼馴染である美奈だった。
「結衣、来てくれてありがとう。最近、本当に怖いことが続いてて…」
「大丈夫、美奈。私がいるから安心して」
結衣は家の中に入るとその場の空気が重く感じた。部屋の隅にいる何かの存在が、結衣に視線を向けているのを感じた。
「さっそく、始めましょう」
結衣は持ってきた除霊の道具を取り出し、儀式を始めた。祓いの言葉を唱えながら、部屋の四隅に清めの塩をまいた。
すると突然、激しい風が部屋中を駆け巡り、窓ガラスがガタガタと揺れ始めた。美奈は驚いて結衣にしがみついた。
「結衣、大丈夫なの?」
「心配しないで。これはただの悪霊の抵抗よ」
結衣は集中して祓いの言葉を続けた。やがて風は静まり、部屋の中に再び平穏が戻った。
「これで終わりよ。もう大丈夫」
美奈は涙を浮かべながら結衣に感謝の言葉を述べた。
「本当にありがとう、結衣。あなたのおかげで、私たちは安心して眠れるわ」
その夜、結衣は美奈の家に泊まり、二人で思い出話に花を咲かせた。