ある日、結衣のもとに一通の手紙が届いた。手紙は遠くの村からで、奇妙な出来事が続いているという内容だった。村人たちが次々と原因不明の病に倒れたり、家畜が急に死んでしまったりしていた。
結衣はその手紙に記された村へと向かった。村の入り口で待っていたのは、村長の息子である拓也だった。
「藤原さん、遠いところをありがとうございます」
「こちらこそ、お招きいただきありがとうございます。さっそく村の様子を見せていただけますか?」
結衣は村を巡りながら異常な気配を感じ取った。ある古い神社の跡地に近づくと、その感覚はますます強くなった。
「ここが一番強く感じます。この神社には何かあったのでしょうか?」
拓也は神妙な顔をして答えた。
「実は、この神社は長い間放置されていました。最近、子供たちがここで遊んでいて、古い祠を壊してしまったんです。それ以来、村で奇妙なことが起こるようになったんです」
結衣は祠の破片を集め、そこに残る霊の痕跡を感じ取った。どうやら祠の中に封じられていた悪霊が解き放たれたらしい。
「私がこの霊を鎮めます。みなさんは安心してください」
結衣は祠の跡地で除霊の儀式を始めた。祓いの言葉を唱えながら、古い神社の周囲を浄化した。次第に村の空気が軽くなっていくのを感じた。
やがて儀式は終わった。
「藤原さん、本当にありがとうございました。これで村も元の平穏を取り戻せます」
結衣は微笑みながら答えた。
「いえ、こちらこそお役に立てて嬉しいです。また何かあればいつでも呼んでください」