藤原結衣はある日、高校時代の先輩、松本亮から連絡を受けた。
亮は結衣の高校時代の仲の良い先輩で、結衣が除霊師の力を使うことを知る数少ない一人だった。
彼は今、地方の小さな町で教師をしていたが、最近その町の学校で奇妙な現象が頻発しているという。
「藤原さん、すぐに来てくれないか?子供たちが噂で怖がって泣き出す子もいるし、教室で物が勝手に動くんだ。」
亮の声は深刻だった。
結衣は迷わず町に向かった。
到着すると学校はどこか薄暗く、不気味な雰囲気が漂っていた。
結衣は亮と合流し、現象が特に激しいという教室へ案内された。
「この教室だよ。特に夜になると酷いんだ。」
亮が教室のドアを開けると、冷たい風が吹き抜けた。
夜が更け、結衣と亮は教室で待機していた。
すると突然、教室の奥からカタカタと音が響いた。
結衣がライトを向けると、机や椅子が勝手に動き出していた。結衣は冷静にお札を取り出し、教室の四隅に貼り付けた。
「現れなさい!」
結衣が声を上げると、薄暗い教室の中にぼんやりとした人影が現れた。
影は子供の姿をしており、何かを訴えかけるように手を伸ばしていた。
「あなたは…」
結衣は影に向かって手を差し伸べた。
「何があったの?」
影は泣き声を上げるとともに、教室の隅に消えていった。結衣は亮に向かって言った。
「あの子供、何か訴えたいことがあるみたい。きっとこの学校で何かあったに違いない。」
次の日、亮は学校の古い記録を調べ、数十年前にこの学校で起きた悲劇的な事故を見つけた。
ある生徒が事故に遭い、その後亡くなったという。結衣と亮はその生徒の魂が未だに救われず、教室を彷徨っていることを理解した。
結衣は亮と共にその生徒の慰霊の儀式を行うことを決意した。
結衣は除霊の力を使い、亮は教師として生徒の名前を呼び、彼の無念を晴らそうとした。
夜、再び教室で儀式が始まった。結衣が経を唱え、亮が生徒の名前を呼ぶと、再び影が現れた。現れた生徒の影は安らかな表情を浮かべていた。
「ありがとう…」
影は静かに消えていった。結衣と亮はほっと胸を撫で下ろした。
「亮さん、ありがとう。あなたのおかげであの子はようやく安らぎを得ることができたわ。」
結衣が微笑むと、亮も頷いた。
「藤原さん、君がいてくれて本当に助かったよ。」
その後、二人は近くの食堂で夕食を取ることにし、学生時代の思い出話に花を咲かせながら、久しぶりの再会を楽しんだ。