夏のキャンプの夜、高校生のS君たちは、4人でキャンプファイヤーを囲んでいた。
焚き火の明かりが揺れ、火のはぜる音が心地よく響る中、彼らは楽しげに歌を歌い、キャンプの楽しい時間を過ごしていた。
その時、どこからともなく森の奥から別の歌声が聞こえてきた。
それはまるでS君たちの歌に合わせるかのように、子供たちが楽しそうに歌っている声だった。
「ねえ、誰かいるのかな?」
A君が不思議そうに呟いたが、誰もその答えは分からなかった。
キャンプ場は他のグループがいなく、周囲にはS君たちだけしかいない。
友人たちと顔を見合わせ周囲を見回した。
もしかしたら他にキャンプ場があって、そこに人がいるのかもしれない。
そう結論付け、S君たちは気にせずに歌を続ける事にした。
だが次第にその森の奥から聞こえる歌声は、妙に耳に残るような感じがし、少しずつ不気味なものへと変わっていった。
最初は楽しい歌声だったはずが徐々に調子が外れ、声のトーンが不自然に高くなったり低くなったりしはじめる。
S君たちは次第にその声に恐怖を感じ始めた。
「やめよう、もう歌うのは」
B君が震える声で言った時、突然その森の奥からの歌声がピタリと止んだ。
急に静かになり、S君たちは息を呑んだ。
火のはぜる音がが再び響く。
その時、その静けさの中、何かが彼らを見つめているかのような圧迫感が漂い始めた。
誰ともなく立ち上がり、火を囲んでいた輪が崩れ始めた。
S君たちは何かを確認するように周囲を見回したが、そこにはただ闇と木々があるだけ。
「テントに入ろう、なんか変だよ」
誰かが言い出し皆が一斉にうなずいた。
火を消し、急いでテントに戻る準備を始めた。
その時、遠くから再びあの不気味な歌声が聞こえてきた。