怖い話と怪談の処

いつも☆くださる方、ありがとうございます。このブログは知り合いから聞いた話や、思いついた話を載せていきます。完全に自作した話やAIにアイデアを貰った話、心霊系動画に使えそうな素材等を置いていきます。

月見の時に見た白い影

ある満月の夜、これはSさんが体験した月見をしていた時の話。

 

その日はとても綺麗な満月で、Sさんは友人と三人で郊外の広場に出かけて月見を楽しんでいた。

風もなく少しひんやりとした夜。

月明かりが淡く地面を照らし、三人はしばらく無言で月を見上げていた。

ふと、Sさんが広場の端にある森の方へ目を向けた時だった。

月明かりの下で何かが動いているのが見えた。

人のようにも見えたが、顔ははっきりしない。

白い影がゆっくりと揺れている。

友人たちもその影に気付き、三人でその方向をじっと見つめた。

すると、その人影は静かに森の奥へと消えていった。

「今の何だったんだろう」

と友人の一人が言ったのだが、何も答える事が出来なかった。

 

その後もさっきのが気になり、三人で森の方を見続けていた。

すると再びその白い影が現れた。

今度はゆっくりとこちらに近づいてきたのだ。

姿は相変わらず不明瞭で、まるで月光に照らされて体が揺れているように見える。

Sさんは怖くなり「帰ろう」と友人たちに促そうとしたその時

 

「帰りたくない…」

 

その低い声にSさんたちは背筋が凍りついた。

その白い影はさらに近づいていて、Sさんたちの数メートル先というところまで来ていた。

友人の一人が声にならない叫びをあげ、Sさんたちは急いでその場から飛び出すように逃げ出した。

広場を後にしてもずっと背後から何かが見ている気がして、Sさんは足が震えて止まらなかった。

月明かりの下で何かが見ていた、という感覚だけが今も鮮明に残っているらしい。