怖い話と怪談の処

あなたが今読んだその話、本当に「作り話」だと言い切れますか?

深夜、山の中に響く音

ネットで知り合った友人の話。

高校の部活で、山の中にある合宿所で合宿をしたときのことだった。

 

最終日の夜、深夜になると突然どこからともなく優しい音色が聞こえてきた。

オルゴールのような旋律が静かな山の中にぽつりぽつりと響き渡る。

「何の音だ?」

最初に気づいたのはAさんだった。

次第に音ははっきりしてきて他のメンバーも耳を傾ける。

「誰かオルゴール持ってきたのか?」

「いや、そんなもの持ってきてないぞ」

音の正体が分からず皆ざわざわとし始めた。

音はどこか懐かしくも切ない旋律だったが、どこから聞こえてくるのかがどうしても分からない。

一人が窓を開けて耳を澄ませる。

山の静寂の中、音は風に乗って聞こえてくるようだった。

やがてBさんがぽつりと口にした。

「これ、昔流行ったオルゴールのメロディじゃないか?あの遊園地でよくかかってたやつだよ」

Bさんの言葉で場がしんと静まり返った。

その遊園地は、数年前に廃業して取り壊されたはずだったのだ。

「冗談だろ?」誰かが震える声でそう言ったが、音は確かに続いている。

仲間たちは急に怖くなり、「もう寝よう」と言い合いながら布団に潜り込んだ。

それでも耳を塞いでいても、微かな旋律が届くように聞こえた。

 

翌朝、荷物をまとめて帰る準備をしていると、外に出たCさんが何かを見つけた。

山小屋の裏手に、ぽつんと古びたオルゴールが置かれていたのだという。

「これ、動いてるぞ…」

Cさんの言葉に皆が駆け寄ると、確かにオルゴールはゆっくりと回転していた。

しかし誰かが手を伸ばそうとすると音は消え、オルゴールも動かなくなってしまった。

 

「あれは一体何だったんだろうな…」

友人はそれ以来、その旋律を耳にするたびにあの山の夜を思い出してしまうのだという。