怖い話と怪談の処

ブログ名の最後の文字は(ところ)と読みます。怖い話や不思議な話が大好きな方、是非ご堪能下さい。記事への★ありがとうございます。

深夜、二階から降りてきた足音

大学生のYさんたちが、夏休みを利用してハイキングに訪れたのは、人里離れた静かな山だった。

彼らが予約していたのは、古びた山小屋。

到着した山小屋は想像以上に年季が入っていて、木の床は歩くたびに軋んだ。

どこかひんやりとした空気が漂い、彼らの他には誰もいないようだった。

その夜、疲れ切ったYさんたちは、早々に深い眠りについた。

 

真夜中、Yさんは妙な音で目を覚ました。

意識がはっきりしない中で、その音の発生源を探ると、どうやら二階から聞こえてくるようだった。

耳を澄ますと、それは板張りの廊下を「ぺタ、ぺタ」と響く足音だと気づく。

その音は誰かが裸足で歩いているような、湿り気を帯びた音に聞こえた。

Yさんは一瞬、仲間の誰かが二階に行ったのかと思ったが、その足音はあまりにも不規則でゆっくりだった。

山小屋には自分たち以外に誰もいないはずだ。

Yさんはだんだんと怖くなってきた。

 

足音はやがて、ゆっくりと階段を下りてくるのが分かった。

一段、また一段と、だんだん自分たちのいる階に降りてくる。

Yさんは布団の中で息を潜め、じっとその音を聞いていた。

そして足音は、ついに自分たちの部屋のドアの前で止まった。

Yさんは固唾を飲む。ドアの向こうに何かがいる。

恐怖で体が動かない。

一瞬の静寂の後、また「ぺタ、ぺタ」という足音が聞こえ始めた。

どうやら廊下を行ったり来たりしているようで、音が遠ざかったり近づいてきたり繰り返している。

 

Yさんは、朝まで一睡もできず、布団の中で身を固くして耐え忍んだ。

外が白み始め、鳥の声が聞こえ出す頃、足音はまた二階へと上がっていった。

恐怖が薄れていくのを感じながら、Yさんはようやく重い体を起こした。

 

やがて友人たちが起き出したので、友人たちに昨夜の出来事を話したが、誰も信じてはくれなかった。

確かめに行ってみよう、とYさんが言うと、友人たちは面白そうだ、と言って立ち上がった。

Yさんたちは恐る恐る二階へ上がってみたのだが、どの部屋にも誰もいなかった。

Yさんは腑に落ちなかったが、夢でも見てたという事にしたそうだ。

一体あれは何だったのか。