怖い話と怪談の処

あなたが今読んだその話、本当に「作り話」だと言い切れますか?

「親しい友達」限定ストーリーにだけ映る、フォロワー0人の“監視者”

都内の私立大学に通う女子大生のMさん(20代)は、最近、自身のInstagram(インスタグラム)の「ある機能」を使うのが怖くなってしまったという。

それは特定の親しい友人にしか公開されない、「親しい友達」限定のストーリー投稿だ。

 

「誰にも見せたくない、身内だけの悪ノリとか、ちょっとした愚痴とかを流していたんです。

まさかそこに『誰か』が混ざっているなんて…」

 

事の起こりは、先月の深夜。

Mさんが自宅の自室で撮った、散らかった部屋の写真を「親しい友達」限定でアップした時のことだ。

 

投稿から数分後、Mさんは何気なく閲覧者リスト(足跡)を確認した。

仲の良い友人の名前に混じって、リストの最後に、見慣れないアカウントが表示されていたのだ。

アイコンは初期設定のグレーのまま。名前も空欄。

不審に思ったMさんがそのアカウントのプロフィールに飛ぶと、投稿はゼロ。

フォロワーもゼロ。

フォローしているのも、Mさんただ一人だけだった。

「誰?…怖いんだけど」

Mさんは即座にそのアカウントをブロックし、投稿を削除した。

しかし、恐怖はここから始まった。

 

翌日、Mさんが再び「親しい友達」限定で、カフェで撮ったランチの写真をアップした。

すると数分後にはまた、あのアイコンも名前もないアカウントが閲覧者リストの最後に現れたのだ。

 

ブロックしたはずなのに。

 

恐怖に震えながら、Mさんは投稿したランチの写真を拡大した。

すると画面の隅。

カフェの窓ガラスの反射、そのさらに奥の暗がりに、黒い影がほんの少しだけ写り込んでいるのに気づいた。

葉の影か、あるいは光の加減か。

だが、それ以降、Mさんがストーリーを投稿するたびに、そのアカウントは必ず現れた。

そしてそのアカウントが閲覧する時だけ、写真の隅の影は少しずつ、確実にMさんの方へと近づいてきたという。

ある時は自室のクローゼットの隙間から。

またある時は夜道の電柱の陰から。

影の形は回を追うごとに人間離れした、歪なシルエットへと変貌していった。

 

「一番怖かったのは、昨日の夜です」

Mさんがベッドの中から、天井の照明を撮って「おやすみ」と投稿した。

数秒後、リストにあのアカウントが現れた瞬間。

スマホの画面越しに見る天井の隅。

そこから真っ黒な何かが蜘蛛のように這い出し、画面全体を覆い尽くそうとしていた。

Mさんは悲鳴を上げ、スマホを投げ出したという。

 

現在、Mさんはインスタグラムのアカウントを削除し、SNSから距離を置いている。

だが彼女の友人の一人はこう語る。

 

「Mがアカウントを消した後、私の『親しい友達』限定ストーリーにも、あのアカウントが現れるようになったんです。

…そして私の写真の隅にもあの黒い影が…」

 

一度見つかってしまったら、もう二度とその視線からは逃れられないのかもしれない。

便利すぎるSNSの裏側で、あなたは今、誰に「監視」されているのだろうか。