怖い話と怪談の処

このブログは知り合いから聞いた話や、思いついた話を載せていきます。完全に自作した話やAIにアイデアを貰った話、心霊系動画に使えそうな素材等を置いていきます。使用したい場合はこのサイトについてを、画像素材は画像素材のTOPの注意事項を必ず読んで下さい。

登山道の外れにあった小屋

薄暗い登山道を一人登っていた私は、いつの間にか道を外れてしまっていた。

周囲を見渡しても見覚えのある景色はどこにもない。焦りと不安が募っていく。

日が傾き始め、辺りが暗くなり始めた。懐中電灯の明かりを頼りに何とか歩き続ける。しかし、足元は滑りやすく何度も転んでしまう。

疲れと恐怖で心が折れそうになった時、ふと山小屋の灯りが見えた。

希望に胸を膨らませ、私は足早に向かっていった。しかし近づいてみると、山小屋は廃墟となっていた。

壊れた窓から吹き込む風に、木製の扉がギシギシと音を立てる。

不気味な雰囲気に恐怖を感じながらも、私は意を決して山小屋の中に入った。

薄暗い室内には埃まみれの家具や道具が散乱していた。

奥の部屋で古い日記帳を見つけた。

そこには、かつてこの山小屋に宿泊した登山者の記録が記されていた。

しかしその内容はどれも奇妙なものばかりだった。

「山の中で奇妙な影を見た。」

「夜中に人の声が聞こえた。」

「山小屋から出られなくなった。」

恐怖で震えながら私は日記を読み続ける。

すると背後から物音が聞こえた。

振り返ると、そこには誰もいないはずなのに人影が立っていた。

影はゆっくりと私に向かって近づいてくる。

私は恐怖で声も出ずただ立ち尽くすしかなかった。

影は私の目の前に立ち止まり、不気味な声でこう言った。

「ここから出てはいけない。」

私は意識を失いそのまま倒れてしまった。

 

目が覚めると自分の家のベッドにいた。

夢だったのか?

しかし日記帳は私の手にしっかりと握られていた。

あの山小屋で何が起こったのか?どうやって家まで帰ってきたのか?

私は今でもその答えを知らない。

ただ親が言うには、夜遅くに帰ってきて、何も言わずに自分の部屋に行きそのまま眠ってしまったそうだ。

 

あの山小屋での体験の後、どうしてもあの小屋が気になってしまい、再びあの山を訪れた。

そしてあの山小屋を見つけた。

しかし前回とは様子が違い、外観がそこまで古くないし窓ガラスも扉も壊れていない。

扉を開けて中を覗いてみたのだが、しっかりと片付けられて廃墟とは思えない状態だった。