怖い話と怪談の処

ブログ名の最後の文字は(ところ)と読みます。怖い話や不思議な話が大好きな方、是非ご堪能下さい。記事への★ありがとうございます。

山関係

山小屋の奇妙な忘れ物

紅葉が山々を鮮やかに染める季節。 数人の登山好きのSさんたちは、人気の少ない山を訪れていた。 いつもなら問題なく予定通りに進められたのだが、この日は少しばかり計画が狂っていた。 道中で思わぬ悪天候に見舞われたせいで、予定よりも大幅に到着が遅れ…

撮った覚えのない写真データ

写真家のSさんは、常に新しい被写体を求めていた。 特に人があまり足を踏み入れないような、秘境と呼ばれる場所が好きだった。 カメラを片手に一人で山奥深く入り込み、誰の目にも触れられていないような自然の風景を切り取ることに、Sさんはこの上ない喜び…

山道に落ちていた藁人形

Kさんは休日に一人で、人気の少ない山道をハイキングするのが趣味だった。 都会の騒がしさから離れ、静かな山道を歩くことが何よりのリフレッシュになっていた。 汗をかき、自然の中で心を解放する時間は、日頃の疲れを忘れさせてくれた。 ある日のこと、Kさ…

夏の森の、内緒のお姉さん

夏休みに入ってすぐ、Tくんは母方の田舎にある祖父母の家にやってきた。 蝉の声がうるさいくらいに響く、のどかな場所だ。 Tくんは都会の騒がしさから解放され、最初は楽しかったのだが…すぐに退屈してしまった。 いつもの夏休みならゲーム機を持ってきて、…

古い貯水池の茂みに何かいる

Kさんが小学生だった頃の話。 夏休みになると、Kさんはいつも田舎の祖父母の家へ遊びに行っていた。 祖父母の家は裏に小さな山があり、そこがKさんのお気に入りの遊び場だった。 その裏山には、今はもう使われていない古い貯水池がある。 水は澄んでおらず、…

杉の木の根元に不自然なものがいた

大学生のSさんたちから聞いた話。 彼らは夏休みを利用して、大学の友人たちと連れ立って少し名の知れたハイキングコースにやってきた。 コースは整備されていると聞いていたので、地図もろくに見ず、ただ前を歩く友人の背中を追っていた。 初めのうちは鳥の…

届かないはずの電波

大学生のSさんたちは、夏休みに山奥の山小屋へ行くことになった。 普段は都会の騒がしさの中で過ごしているSさんにとって、自然に囲まれるのは久しぶりのことだった。 山小屋は、最寄りの集落から車で一時間ほど走った場所にある、古びた建物だった。 到着し…

山小屋の外の奇妙な光

大学のサークル仲間と、山奥にある古い山小屋に泊まりに来たMさんたち。 夜、みんなで囲炉裏を囲み、酒を飲みながら馬鹿話で盛り上がっていた。 窓の外は真っ暗で、木々を揺らす風の音が響いている。 ちょっとした肝試し気分で、誰かが「この山、昔から変な…

山小屋に残されていた靴

大学生のRさんたちは、夏休みを利用して友人たちと旅行に出かけた。 目的地は、静かな山奥にひっそりと佇む山小屋だった。 インターネットで写真を見た限りでは、古民家風の趣がある、可愛らしい山小屋に見えた。 しかし実際に到着してみると、想像以上に年…

深夜、二階から降りてきた足音

大学生のYさんたちが、夏休みを利用してハイキングに訪れたのは、人里離れた静かな山だった。 彼らが予約していたのは、古びた山小屋。 到着した山小屋は想像以上に年季が入っていて、木の床は歩くたびに軋んだ。 どこかひんやりとした空気が漂い、彼らの他…

登山道の脇に立つ人たち

SNSで知り合ったMさんから聞いた話。 お盆の時期、Mさんは趣味の登山で人気の少ない裏山へ分け入った。 この山はかつて山頂付近に小さな集落があり、お盆には里から先祖の霊を送りに来る人々が列をなしたという言い伝えがあった。 Mさんはそういう話は好きだ…

蝉が鳴き止む先の祠に

夏休み、社会人のTさんが、久しぶりに実家に帰省した時の話。 連日うだるような暑さが続いていたが、故郷の空気はどこか懐かしい。 Tさんは、ふと思い立って裏山へ散策に出かけることにした。 子供の頃、秘密基地のようにして遊んでいた場所がある。 鬱蒼と…

谷底に向かって叫ぶ女性

大学生のSさんから聞いた話。 その日、Sさんは数人の友人と連れだって、比較的気軽なハイキングコースとして知られる山を訪れていた。 都会の騒がしさから離れ、心地よい風と鳥のさえずりを楽しみながら、彼らは山頂を目指して歩いていた。 他愛もない話で盛…

悪天候の中やってきた人

これは長年山に登り続けているベテランの登山家、Hさんの話。 Hさんは人があまり足を踏み入れない、奥深い山域を好んで単独行をしていた。 その日も、彼は古い地図にしか載っていないような、とある無人の山小屋を目指して山を登っていた。 夕暮れ時、ようや…

山道で見てしまった影

Dさんがまだ学生だった頃の話。 Dさんは大学時代の友人たち、Sさん、Mさんと集まり、近場の山へ登山に出かけた。 秋晴れの空の下、紅葉が始まったばかりの山道は、都会の喧騒を忘れさせてくれるような、心地よい静けさに満ちていた。 午前中から登り始め、山…

悪天候の時、山小屋の窓に…

Sさんは学生の頃から登山が趣味で、社会人になってからも週末になると、一人で山へ出かけることが多かった。 その日もいつものように単独登山を楽しんでいたのだが、予報にない悪天候に見舞われ、急遽、山中の避難小屋に泊まることになった。 小屋は古く、軋…

祠の中の見てはいけない石像

Nさんは、数年前から登山に没頭している。 普段から人の少ない、整備されすぎていない登山道を好んで歩く。 その日も、彼は地図には載っていないような古い山道を、気ままに探索していた。 鳥の声だけが響く静かな山の中、踏み固められた道は徐々に細くなり…

展望台の赤い手

Mさんたち大学生グループは、休日を利用して近場の山に登山に来ていた。 新緑が眩しい季節で、道中も賑やかに談笑しながら、ゆっくりとしたペースで山を登っていく。 ちょうど昼食を終え、もう少しで頂上というあたりで、小さな観光展望台に立ち寄ることにし…

深夜の山道にあった道の駅

Tさんは長距離運転手として夜間の配送中、山道に入り込んだ。 深夜の山道は普段から慣れていたが、その日はいつも通るルートとは少し違う道を選んでいた。 午前2時を過ぎた頃、Tさんの目に見慣れない「道の駅」が飛び込んできた。 疲れもたまっていたTさんは…

山小屋の奇妙な絵

初秋、まだ日差しが強い九月の連休。 Kさんたち3人は、久しぶりのキャンプ登山を楽しんでいた。 メンバーはリーダー格のKさん、少し神経質なMさん、そしていつも陽気なHさん。 彼らは学生時代からの友人で、年に一度はこうして自然の中に繰り出すのが恒例に…

山のコテージを覗いている

Kさんという、山のコテージを管理している人から聞いた話。 長年コテージの管理人をやっていたKさんは、いつも物静かな男だった。 だが彼がこの場所で見てきたものは、誰にも話せないような、ひどいものばかりだった。 ある夏の夜、Kさんはいつものようにコ…

岩壁を上がっていく液体

知人のTさんから聞いた話。 彼は高山植物の調査を生業としていて、その日も人里離れた深い山へと分け入っていた。 彼の専門は、滅多にお目にかかれないような珍しい高山植物の生態を記録すること。 そのためならどんな険しい道のりも厭わなかった。 この日も…

森の祠から付いてくるもの

大学生のSさんたちは地形調査のため、とある山に入っていた。 普段から野山を駆け回るのが好きな、アクティブな学生たちだった。 この日も地図を片手に、鬱蒼と茂る森の奥へと進んでいた。 「おい、ここ、地図にない道だぞ」 Mが生い茂る草木に覆われた、か…

拾ってきた古い木の棒

大学の夏休み、仲の良い友人3人組、行動派のAさん、慎重なBさん、ムードメーカーのCさんたちは、都会の喧騒を離れ、人里離れた山奥のキャンプ場へとやってきた。 時間は午後2時を少し過ぎたくらいで、各自が持ち寄ったアウトドアグッズを広げ、慣れない手つ…

禁忌の森の赤き眼と揺らめく影

お爺さんが森の番人を務めるという、Fさんから聞いた話。Fさんのお爺さんは、神社の裏手に広がる「禁忌の森」を見守る役目を担っているという。 その森には、昔から人ならざるものが住み着いていると、祖父や父から何度も聞かされて育ったそうだ。 特に夜の…

肝試し中に見えた赤い光

Rさんが、友人のYさんとNさんと体験した話。 彼らはどこにでもいる普通の大学生で、その日はちょっとしたスリルを求めていた。 夜の22時過ぎ、Yさんの運転する車で、とある県の山奥にある心霊スポットとして有名な森へと向かっていた。 「まじかよ、こんなと…

誰もいない山小屋の訪問者

都内のIT企業で働く、KさんとTさんが体験した話。 KさんとTさんは同僚で、普段はパソコンの画面と向き合い、コードを打ち込む毎日を送っている。 そんな二人が、たまには都会の喧騒から離れてリフレッシュしようと、会社の有給を使って登山に出かけた。 選ん…

だんだんと近づいてくる息の音

フリーライターのHさんから聞いた話。 Hさんはいつものように、カフェで原稿と睨めっこしながら次の企画について考えていた。 今回は過疎化が進む日本の現状を探るべく、とある山奥の廃村を取材することになっていた。 都会の喧騒から離れ、静かに考え事をす…

深夜の研修棟を走り回る音

Yさんが参加したのは、大手企業の新入社員研修だった。 場所は山奥にある古びた研修施設。 3泊4日で泊まり込み、朝から晩まで座学と体験研修を受けるという、少し厳しい内容だった。 建物は清掃が行き届いており、ぱっと見は清潔だったが、どこか湿気を含ん…

水の中の藁人形

Iさんは水源の点検を仕事としている。 山間部にひっそりと建つ、古い取水施設の担当だった。 その日も町の水道課から「水圧が安定しない」と連絡が入り、午後から一人で点検に向かった。 山奥へ続く細道を軽トラで登り、最後は徒歩で斜面を下って川沿いの取…