怖い話と怪談の処

あなたが今読んだその話、本当に「作り話」だと言い切れますか?

山関係

古びた山小屋にいた老人

登山が趣味だった会社員のTさんから聞いた話。 数年前の冬。Tさんは単独で標高の高い雪山を縦走していた。 しかし、急激な天候の悪化により、視界は数メートル先も見えないホワイトアウト状態に陥ってしまう。 覚悟したその時、吹雪の隙間に古びた山小屋が…

凍った池の向こう側に

この話はOさんから直接聞いたという、冬の山での出来事。 Oさんの実家は、町から車で一時間以上かかる山あいにある。 冬になると雪で道が閉ざされ、用がなければ誰も近づかないような場所だ。 その集落のさらに奥、林道を外れた先に小さな池があるという。 …

霧の沼と黒い足跡

Rさんという人から聞いた話。 Rさんの実家は、山間の小さな集落にある。 裏山には、昔から「決して近づいてはいけない」と言われている沼があった。 地元では迷い沼と呼ばれ、一年中霧が立ち込めていて、入ったら二度と戻れないと言われていた。 子供の頃は…

田舎のじいちゃん 山の祠で手を合わせるもの

じいちゃんがまだ独り身で、親と仕事をしていた時の事。 親から休みを貰い、気晴らしに一人旅に出た。 目的地は観光地として有名というわけでもない、地方の低い山だった。 登山といっても本格的なものじゃない。 地元の人が使う山道を辿るような、半日もあ…

田舎のじいちゃん 山の畑で見た「顔のない鹿」

じいちゃんがまだ二十代だった頃の話。 秋の終わり、山の畑で夜明け前から作業に向かっていた。 山間の畑は冷え込みが厳しく、霧が立ち込めることもある。 じいちゃんは霜が降りる前に収穫を終えようと、まだ暗い中を懐中電灯ひとつで畑に向かった。 畑に着…

倒木の下の裂け目

晩秋の夕暮れ、峠越えの林道を歩いていたのは、大学時代の山岳サークル仲間だった。 社会人になってからも年に数回集まり、軽いハイキングを楽しむのが恒例になっていた。 メンバーは四人。 Kさん、冷静で慎重な性格の持ち主。 Mさんは好奇心旺盛で、何か見…

山小屋の壁を歩くもの

北アルプスの支尾根にある古い避難小屋で起きた、Fさんたちの体験談。 季節は晩秋。 空気が冷え込み、日暮れがいつもより早く山を覆う頃のこと。 Fさんたちは大学時代から続く登山仲間で、社会人になってからも定期的に山へ入る関係。 この日はFさん、Tさん…

稜線の上の影

Mさんがその体験を話してくれたのは、秋が深まり始めた頃だった。 それは九月末、少し肌寒い朝の単独登山の日のことだったという。 山の天気は変わりやすく、午前中はよく晴れていたが、稜線に近づくにつれて風が冷たくなっていった。 稜線の手前で一息つき…

別荘裏の八つ指の跡

Sさんたちがその貸別荘に泊まったのは、夏休み終盤の二泊三日の合宿だった。 大学の山岳部で費用を抑えるために、山奥にぽつんと建つ安めの別荘を借りた。 電波は弱く、最寄りのバス停からもかなり歩く。 一日目は荷物を背負ったまま山道を登り続け、夕方に…

うねり草の道

Yさんがその貸家に越してきたのは、春先のことだった。 築年数の古い平屋で、裏には鬱蒼とした山が迫っていた。 大家は「裏山には入らない方がいいですよ」とだけ言ったが、理由は語らなかった。 裏口の窓からは、誰も使っていない細い山道が見えた。 昼間は…

N県・霧が深い森の灯り

KさんがN県の山中を走っていた時の体験。 その日は仕事の関係で、山を越えた先の町まで車で移動していた。 予定よりも遅くなり、峠に差し掛かる頃には夜になっていた。 霧が出始めたのは、ちょうど山の中腹を走っている時だった。 街灯はなく車のヘッドライ…

T県・◯◯の吊り橋

まだ夏のMさんたち三人が、T県の山間にある渓谷へ出かけたときの体験。 その渓谷は観光地というよりも、地元の人でもあまり近寄らない場所だった。 細い山道の先にある古びた吊り橋は、木の板が軋み、足元の隙間から谷底が見えるほど深い。 立ち昇る湿気と体…

夜の展望台にいたもの

Oさんが友人二人と夜景を見に行ったときの事。 季節は秋の終わり。 空気が澄んで星がよく見える夜だった。 三人は、街から少し離れた山の上の展望台に車で向かった。 展望台の駐車場には彼女らの車しかない。 他に人影もなく、周囲は街灯の届かない暗闇に包…

林道の奥の赤い屋根

Nさんが友人とドライブ中に体験した出来事。 季節は晩夏、夕方の陽が傾きはじめたころ。 山のふもとの道を走っていると、古びた標識に「この先通行止め」と書かれた林道の入口が見えた。 錆びたゲートが半分開いたままになっており、草がアスファルトの割れ…

峠の祠に立つ影

ツーリングが趣味のSさんが体験した、夏の夜の出来事。 その日、Sさんは仕事帰りに遠回りして、昔使われていた旧道の峠を越えて帰ることにした。 街灯もほとんどなく車の通りもない。 アスファルトはところどころひび割れ、道端には草が生い茂っている。 そ…

霧の中の案内人

これは登山愛好家のYさんが体験した話である。 会社勤めの傍ら、一人で山を歩くのが趣味だったYさんは、その日、地元に新しく整備された低山の登山道を試そうと、早朝から山に入った。 空模様は悪くなかったが、山に足を踏み入れて間もなく、どこからともな…

尾根の向こうの境界線

これは大学生のMさんと、その友人たちが夏休みに体験した話である。 三人は登山サークルに所属しており、比較的マイナーな山域を縦走する計画を立てていた。 二日目、予定していたルートを進むうちに、ふと地図には載っていない古道を見つける。 そこからな…

道の脇に座る石

Sさんが山奥をドライブしていた時の話。 Sさんは趣味で林道を走るのが好きだった。 舗装もされていないような細い道を、車でゆっくりと進み、地図にも載っていない道を探すのが楽しみだった。 ある日の夕方近く、雨が降りそうなどんよりとした曇り空の下、人…

山小屋の覗き窓から見える白いもの

大学生のTさんがサークル仲間と体験した出来事。 数人で登山に出かけたTさんたちは、山中にある古びた山小屋で一泊することになった。 小屋は木造で、壁には古い覗き窓が残されており、外を確認するためのものらしかった。 夜になり、仲間たちは疲れ果てて眠…

落ち葉の下から覗くもの

Tさんが友人のKさんと、紅葉を見に行った時の出来事。 秋の午後、二人は山道を歩いていた。 あたりは紅葉で鮮やかに染まり、風が吹くたびに落ち葉がひらひらと舞い落ちる。 観光客も少なく、静かで心地よい雰囲気の中を進んでいた。 ところが、Tさんが落ち葉…

登ってはいけない岩場

これはSさんが体験したという話。 地元の人に「決して登るな」と言われていた岩場が山の中にあった。 奇妙な言い伝えがあるらしかったが、Sさんは半信半疑で、好奇心に負けてその山を訪れた。 しばらく登っていくと、木々の間からその岩場が姿を現した。 灰…

沢登りで聞こえてきた楽器

これは大学生のWさんが経験した話。 Wさんは友人たちと沢登りを楽しんでいた。 夏の午後、木漏れ日の中で休憩を取っていたとき、どこからともなく、かすかな楽器の音が耳に届いた。 木々のざわめきや沢の水音に混じりながらも、不思議とはっきりと心に残る旋…

視界の隅に現れる人影

これは山で測量士として働く、Yさんから聞いた話。 Yさんの仕事は、一人で山中を歩き回りながら計測を行うことが多く、誰もいない山の奥で過ごす時間にも慣れていた。 その日もいつものように機材を担ぎ、急な斜面を越えて作業をしていた。 午後になると空は…

古い集落の跡で集まってきた人影

これは大学生のTさんから聞いた話。 Tさんは探検サークルに所属しており、仲間数人と山奥の古道を歩いていた。 観光客が訪れるような整備された道ではなく、地図にもほとんど記載がない廃れた道だった。 日が傾き始めるとあたりは急に薄暗くなり、気づけば道…

岩肌に貼りつくもの

Tさんは登山が趣味で、その日は岩場の多いコースを一人で登っていた。 午後の日差しに照らされた岩壁を慎重に登っていると、ふと、目の端に小さな影がよぎった。 よく見ると、岩肌にトカゲのようなものが貼りついている。 だが普通のトカゲではなかった。 体…

鹿のような群れ

Mさんは趣味で山歩きをしており、その日も人気の少ない登山道を一人で登っていた。 昼を少し過ぎた頃、木々の合間から広い草地に出た。 そこには十数頭の鹿の群れがいた。 思わぬ出会いに感動していたのだが、すぐに違和感を覚える。 どの鹿にも角がない。 …

尾根を這うもの

Kさんは単独での登山が好きで、その日も人気の少ない山の尾根を歩いていた。 午後の光が傾き始め、稜線の向こうには岩肌が夕陽に照らされて光っている。 心地よい風に汗を乾かしながら進んでいたとき、ふと視界の端に異様なものが映った。 尾根の先、岩場の…

空を泳ぐ魚

Rさんがその奇妙な光景を目にしたのは、夏の終わりの夕暮れだった。 人気のない山道を歩いて崖沿いに出ると、西日を浴びた空に不自然な影が浮かんでいた。 雲でも鳥でもない。それは群れを成した魚だった。 銀色の鱗のような輝きを放ちながら、尾を揺らし、…

雪原に浮かぶ輪郭

Rさんは雪山で一人、テントを張って夜を迎えていた。 外は吹雪もなく、月明かりが淡く雪面を照らしている。 静まり返った白い世界を見ながら温かい飲み物を口にしていたとき、異様なものに気づいた。 テントの外、少し離れた雪原に黒い輪郭が浮かんでいる。 …

吊り橋の下にいる白いもの

Nさんは山奥の古い吊り橋を渡っていた。 谷底は深く、白い霧が渦を巻いている。 足元の木板は湿って軋み、橋全体が風に合わせて揺れていた。 その時、視線の端で違和感を覚えた。 橋の下、霧の中に白くて長いものが垂れ下がっている。 最初は補強用のロープ…