怖い話(未分類)
この話は、地方にある終点駅で働くTさんたちの話。 Tさんは入社してまだ1年目で、この日は終電後のホーム清掃の担当だった。 同期のKさんとMさんも一緒で、三人でホーム端のゴミを拾って回り、床を磨き、一部の明かりの落ちた駅の中を黙々と歩いていた。 途…
取り壊しを目前にした旧地下鉄の管理施設。 そこにSさんたちは、夜中こっそり入り込んだ。 Sさんは大学で都市伝説のレポートを書いていて、「閉鎖された施設には、記録にない階がある」という噂を確かめるために来たのだ。 同行したのは同じゼミのTさんとKさ…
これはフリーライターをしている、Sさんから聞いた話です。 Sさんは仕事柄、深夜に移動することが多くありました。 その夜も取材先からの帰り道、線路沿いの道を歩いていたそうです。 いつも通る踏切。 遮断機が下りるのを待つ間、Sさんはスマートフォンを見…
Tさんがその銭湯へ行ったのは、秋の終わりの冷え込む夜だった。 大学時代の友人二人と久しぶりに会い、飲みのあと「せっかくだから温まって帰ろう」と、駅近くの古い銭湯に立ち寄ったのだ。 昭和の名残を感じる木の下駄箱、曇ったガラスの引き戸。 店の奥か…
Oさんが友人二人と夜景を見に行ったときの事。 季節は秋の終わり。 空気が澄んで星がよく見える夜だった。 三人は、街から少し離れた山の上の展望台に車で向かった。 展望台の駐車場には彼女らの車しかない。 他に人影もなく、周囲は街灯の届かない暗闇に包…
大学生のKさんが通学でよく使っていたのは、田んぼの間を抜ける細いあぜ道だった。 自転車なら十分通れる道なのだが、人影はほとんどない。 季節の変わり目には農家の人が草を刈り、すっきりとした景色の中を走れる。 特に秋分の日が近づく頃、その道は鮮や…
Sさんがその奇妙な存在と出会ったのは、冬の夜の駅前だった。 仕事を終えて電車を降り、改札を抜けたとき、広場には冷たい風が吹き抜け人影もまばらになっていた。 街灯の下を足早に歩いていたその瞬間、誰かと肩がかすめた。 厚手のロングコートを着た背の…
Tさんがそのものを見たのは、残業帰りに団地の前を通ったときだった。 街灯の明かりがまだらに伸びる古い集合住宅。 窓の多くはすでに暗く、人影もほとんどなかった。 ふと見上げた屋上、そこに黒い猿のようなものがいた。 手すりにぶら下がるようにして揺れ…
Yさんはその晩、最寄り駅からの帰り道を少し近道しようと、公園を横切ることにした。 時間はすでに二十三時を回り、街灯の光もまばらで、公園内は半ば闇に沈んでいた。 普段は昼間に子供たちの声が響く場所だが、夜はまるで異界のようにひっそりとしている。…
Mさんがそのものを見たのは、終電間際の地下鉄ホームだった。 深夜零時を回り、帰宅を急ぐ人影もまばら。 構内には電光掲示板の明かりと、換気口から流れる低い風の音だけが漂っていた。 ふと視線を向けた反対側の線路上、そこに黒いものが立っていた。 四足…
Kさんは深夜、仕事を終えてオフィス街を歩いていた。 平日の午前一時過ぎ、人気はほとんどなく、照明の落ちたビル群の間を街灯の淡い光だけが照らしている。 タクシーを拾おうかと思いながら歩いていたとき、不意に視線が止まった。 ビルとビルの狭い隙間━━…
Tさんは仕事の帰り、繁華街を抜けた裏路地を歩いていた。 街灯がまばらに照らすその道は、人通りもなく、アスファルトには昼間の熱がまだじんわりと残っている。 夜風が吹き抜けたとき、路地の奥に何かが動いた。 暗がりから現れたのは一匹の猫だった。 痩せ…
Sさんは写真が趣味で、休みの日に人の少ない場所を探してはシャッターを切っていた。 その日は夕暮れ時、郊外の廃駅を訪れていた。 線路は草に覆われ、ホームの壁には落書きが残り、どこか寂れた空気が漂っている。 人の気配はなく、風が吹くたびに金属の音…
Nさんは仕事帰り、夏の夕暮れの田んぼ道を歩いていた。 一面の稲が風に揺れ、あぜ道には赤とんぼが飛んでいる。 西の空は朱に染まり、そろそろ暗くなるな、そう思ったときだった。 ふと横の水田に目をやると、水面に何かが浮いていた。 最初はカカシの頭か、…
Kさんが友人たちと海沿いをドライブした帰り道のこと。 夜の海岸線は外灯も少なく、波の音だけが遠くから聞こえてくる。 しばらく進むと、古びたコンクリートのトンネルが現れた。 海辺特有の潮風で壁は黒ずみ、どこか湿っているように見えた。 「なんか雰囲…
Tさんが友人のYさん、Kさんの三人で郊外の川原に出かけた時の事。 天気のいい休日で、昼間からバーベキューを楽しもうと出かけた。 川は穏やかに流れ、子どもでも遊べるほど浅い場所が多く、危険な感じはまったくない。 日が傾きはじめ、火を囲んで談笑して…
Kさんがその海岸を歩いていたのは、夕方近い干潮の時刻だった。 観光地からは離れた寂しい磯で、人気はなく、波の音だけがゆっくりと響いていた。 ふと足元を見ると、砂の上に小さな顔のような跡があった。 大人の手のひらほどの大きさで、目と口のようなく…
小学生のSさんが、夏休みに祖父母の家を訪れた時のこと。 家の裏手には、林に囲まれた古くからある池があった。 普段はただの泥水が溜まっているだけの、何の変哲もない池。 子供心に特に興味を引かれることもなかった。 ある日の午後、Sさんは池のほとりで…
Kさんが小学四年生だった頃に体験した話。 Kさんの家族は、父親の転勤で古く大きな屋敷に引っ越してきた。 新しい家は広くて庭も手入れが行き届かず荒れていたが、Kさんはどこかワクワクしていた。 探検好きのKさんにとって、この家は宝の山に見えた。 引っ…
深夜、Fさんが踏切を通った時の話。 レポートに集中していたら、いつの間にか日付が変わってしまっていたのだ。 小腹が空き、アパートから一番近いコンビニへと夜食を買いに向かうには、必ずあの踏切を渡る必要があった。 町中にあるその踏切は、昼間は学生…
いつも忙しく働く、フリーランスのNさんから聞いた話。 ある日の夜、打ち合わせを終えて帰ろうとすると、外は雨が降っていた。 Nさんは急いで終電に乗り込み、なんとか最寄りの駅にたどり着く。 電車を降りて改札を出ようとしたその時、ふと視線が駅のベンチ…
友人のKさんが大学生だった頃の話。 Kさんは大学の夏休みを利用して、実家のある田舎に帰省していた。 都会の騒がしさから離れ、久しぶりに味わう静けさは心地よかった。 夜になると街灯の少ない道は漆黒に染まり、虫の声だけが響く。 Kさんはその日もコンビ…
会社員のSさんが体験した話。 その日、Sさんは残業で遅くなり、最終電車に飛び乗った。 いつもと変わらない夜の駅、そして乗り慣れた路線の電車。 疲労で重い体を座席に沈め、Sさんは目を閉じた。 電車は定刻通りに発車し、ガタンゴトンと規則正しい音を立て…
大学生のTさんから聞いた話。 Tさんは大学の近くでアルバイトをしていて、いつも終電で帰宅していた。 その日はバイト先の店が急に忙しくなり、Tさんが解放されたのは日付が変わる寸前だった。 ホームは人影もまばらで、いつもの煩さが嘘のように静かだった…
Mさんが小学六年生の夏休みに、親戚の家に泊まりに行った時の事。 その家は海の近くにあり、庭から細い坂道を下ると、すぐに小さな入り江の海岸に出られる。 観光客も少なく、静かで波音だけが絶えず耳に届く場所だった。 Mさんは絵を描くのが好きで、親戚の…
大学生のKさんは、市民プールで監視員のアルバイトをしていた。 蒸し暑い夏の夜。 閉館時間の午後9時を過ぎ、遊びに来ていたお客さんたちは全ていなくなり、車の通る音や虫の鳴き声だけになっていた。 Kさんは手に持った懐中電灯で、プールサイドや更衣室に…
これはTさんがまだ小学生だった頃の話。 Tさんは夏休みを祖父母の家で過ごしていた。 祖父母の家は山あいの小さな集落にあり、周りには田んぼが広がるとても静かな場所だった。 特に夏のお盆の時期は、昼間はセミの声がうるさいほどだったが、夜になるとカエ…
Yさんが学生だった頃の話。 Yさんは大学の長期休暇で実家に帰省していた。 久しぶりの故郷は、都会の喧騒とは無縁で静かだった。 その日の夜、急にコンビニへ行きたくなったYさんは、スマホのライトだけを頼りに、近道である田んぼ道を歩き始めた。 実家から…
都心から離れた祖父母の家は、広い庭と、そこにある古びた物置が特徴だった。 Kさんは長期休暇でその家に帰省し、久しぶりの田舎の静けさを満喫していた。 しかしその静けさは、ある夜破られることになる。 真夜中、Kさんは物置のドアがカタカタと鳴る音で目…
Sさんから聞いた話。 Sさんは仕事終わりの日課として、いつも海沿いの遊歩道を歩いていた会社員だった。 日中は観光客やカップルで賑わう場所だが、夜遅くになると人通りはほとんどなくなる。 街の灯りも届かない暗い遊歩道で、波の音と潮風だけが、日々の仕…