怖い話と怪談の処

ブログ名の最後の文字は(ところ)と読みます。怖い話や不思議な話が大好きな方、是非ご堪能下さい。記事への★ありがとうございます。

怖い話(未分類)

終点ホームの先に転がっていたもの

この話は、地方にある終点駅で働くTさんたちの話。 Tさんは入社してまだ1年目で、この日は終電後のホーム清掃の担当だった。 同期のKさんとMさんも一緒で、三人でホーム端のゴミを拾って回り、床を磨き、一部の明かりの落ちた駅の中を黙々と歩いていた。 途…

地下四階の声

取り壊しを目前にした旧地下鉄の管理施設。 そこにSさんたちは、夜中こっそり入り込んだ。 Sさんは大学で都市伝説のレポートを書いていて、「閉鎖された施設には、記録にない階がある」という噂を確かめるために来たのだ。 同行したのは同じゼミのTさんとKさ…

踏切の向こう側

これはフリーライターをしている、Sさんから聞いた話です。 Sさんは仕事柄、深夜に移動することが多くありました。 その夜も取材先からの帰り道、線路沿いの道を歩いていたそうです。 いつも通る踏切。 遮断機が下りるのを待つ間、Sさんはスマートフォンを見…

脱衣所に落ちていた赤い布

Tさんがその銭湯へ行ったのは、秋の終わりの冷え込む夜だった。 大学時代の友人二人と久しぶりに会い、飲みのあと「せっかくだから温まって帰ろう」と、駅近くの古い銭湯に立ち寄ったのだ。 昭和の名残を感じる木の下駄箱、曇ったガラスの引き戸。 店の奥か…

夜の展望台にいたもの

Oさんが友人二人と夜景を見に行ったときの事。 季節は秋の終わり。 空気が澄んで星がよく見える夜だった。 三人は、街から少し離れた山の上の展望台に車で向かった。 展望台の駐車場には彼女らの車しかない。 他に人影もなく、周囲は街灯の届かない暗闇に包…

彼岸花が咲き乱れる道

大学生のKさんが通学でよく使っていたのは、田んぼの間を抜ける細いあぜ道だった。 自転車なら十分通れる道なのだが、人影はほとんどない。 季節の変わり目には農家の人が草を刈り、すっきりとした景色の中を走れる。 特に秋分の日が近づく頃、その道は鮮や…

コートの中の顔

Sさんがその奇妙な存在と出会ったのは、冬の夜の駅前だった。 仕事を終えて電車を降り、改札を抜けたとき、広場には冷たい風が吹き抜け人影もまばらになっていた。 街灯の下を足早に歩いていたその瞬間、誰かと肩がかすめた。 厚手のロングコートを着た背の…

団地の屋上にいるやつ

Tさんがそのものを見たのは、残業帰りに団地の前を通ったときだった。 街灯の明かりがまだらに伸びる古い集合住宅。 窓の多くはすでに暗く、人影もほとんどなかった。 ふと見上げた屋上、そこに黒い猿のようなものがいた。 手すりにぶら下がるようにして揺れ…

公園の奥に立つもの

Yさんはその晩、最寄り駅からの帰り道を少し近道しようと、公園を横切ることにした。 時間はすでに二十三時を回り、街灯の光もまばらで、公園内は半ば闇に沈んでいた。 普段は昼間に子供たちの声が響く場所だが、夜はまるで異界のようにひっそりとしている。…

地下鉄の反対側の黒いもの

Mさんがそのものを見たのは、終電間際の地下鉄ホームだった。 深夜零時を回り、帰宅を急ぐ人影もまばら。 構内には電光掲示板の明かりと、換気口から流れる低い風の音だけが漂っていた。 ふと視線を向けた反対側の線路上、そこに黒いものが立っていた。 四足…

ビルの隙間にいるもの

Kさんは深夜、仕事を終えてオフィス街を歩いていた。 平日の午前一時過ぎ、人気はほとんどなく、照明の落ちたビル群の間を街灯の淡い光だけが照らしている。 タクシーを拾おうかと思いながら歩いていたとき、不意に視線が止まった。 ビルとビルの狭い隙間━━…

顔のない猫

Tさんは仕事の帰り、繁華街を抜けた裏路地を歩いていた。 街灯がまばらに照らすその道は、人通りもなく、アスファルトには昼間の熱がまだじんわりと残っている。 夜風が吹き抜けたとき、路地の奥に何かが動いた。 暗がりから現れたのは一匹の猫だった。 痩せ…

逆さの鳥

Sさんは写真が趣味で、休みの日に人の少ない場所を探してはシャッターを切っていた。 その日は夕暮れ時、郊外の廃駅を訪れていた。 線路は草に覆われ、ホームの壁には落書きが残り、どこか寂れた空気が漂っている。 人の気配はなく、風が吹くたびに金属の音…

田んぼから覗く奇妙な顔

Nさんは仕事帰り、夏の夕暮れの田んぼ道を歩いていた。 一面の稲が風に揺れ、あぜ道には赤とんぼが飛んでいる。 西の空は朱に染まり、そろそろ暗くなるな、そう思ったときだった。 ふと横の水田に目をやると、水面に何かが浮いていた。 最初はカカシの頭か、…

海辺のトンネル

Kさんが友人たちと海沿いをドライブした帰り道のこと。 夜の海岸線は外灯も少なく、波の音だけが遠くから聞こえてくる。 しばらく進むと、古びたコンクリートのトンネルが現れた。 海辺特有の潮風で壁は黒ずみ、どこか湿っているように見えた。 「なんか雰囲…

水面から出てる足

Tさんが友人のYさん、Kさんの三人で郊外の川原に出かけた時の事。 天気のいい休日で、昼間からバーベキューを楽しもうと出かけた。 川は穏やかに流れ、子どもでも遊べるほど浅い場所が多く、危険な感じはまったくない。 日が傾きはじめ、火を囲んで談笑して…

波の中にあった顔

Kさんがその海岸を歩いていたのは、夕方近い干潮の時刻だった。 観光地からは離れた寂しい磯で、人気はなく、波の音だけがゆっくりと響いていた。 ふと足元を見ると、砂の上に小さな顔のような跡があった。 大人の手のひらほどの大きさで、目と口のようなく…

家の裏にある古い池

小学生のSさんが、夏休みに祖父母の家を訪れた時のこと。 家の裏手には、林に囲まれた古くからある池があった。 普段はただの泥水が溜まっているだけの、何の変哲もない池。 子供心に特に興味を引かれることもなかった。 ある日の午後、Sさんは池のほとりで…

古びた人形でひとりかくれんぼ

Kさんが小学四年生だった頃に体験した話。 Kさんの家族は、父親の転勤で古く大きな屋敷に引っ越してきた。 新しい家は広くて庭も手入れが行き届かず荒れていたが、Kさんはどこかワクワクしていた。 探検好きのKさんにとって、この家は宝の山に見えた。 引っ…

深夜の踏切を通り過ぎる貨物列車

深夜、Fさんが踏切を通った時の話。 レポートに集中していたら、いつの間にか日付が変わってしまっていたのだ。 小腹が空き、アパートから一番近いコンビニへと夜食を買いに向かうには、必ずあの踏切を渡る必要があった。 町中にあるその踏切は、昼間は学生…

忘れ物の黒い傘

いつも忙しく働く、フリーランスのNさんから聞いた話。 ある日の夜、打ち合わせを終えて帰ろうとすると、外は雨が降っていた。 Nさんは急いで終電に乗り込み、なんとか最寄りの駅にたどり着く。 電車を降りて改札を出ようとしたその時、ふと視線が駅のベンチ…

人とは思えないものが立っている

友人のKさんが大学生だった頃の話。 Kさんは大学の夏休みを利用して、実家のある田舎に帰省していた。 都会の騒がしさから離れ、久しぶりに味わう静けさは心地よかった。 夜になると街灯の少ない道は漆黒に染まり、虫の声だけが響く。 Kさんはその日もコンビ…

突然停車してしまった電車

会社員のSさんが体験した話。 その日、Sさんは残業で遅くなり、最終電車に飛び乗った。 いつもと変わらない夜の駅、そして乗り慣れた路線の電車。 疲労で重い体を座席に沈め、Sさんは目を閉じた。 電車は定刻通りに発車し、ガタンゴトンと規則正しい音を立て…

座席の隣に何かが座った

大学生のTさんから聞いた話。 Tさんは大学の近くでアルバイトをしていて、いつも終電で帰宅していた。 その日はバイト先の店が急に忙しくなり、Tさんが解放されたのは日付が変わる寸前だった。 ホームは人影もまばらで、いつもの煩さが嘘のように静かだった…

海辺のスケッチ

Mさんが小学六年生の夏休みに、親戚の家に泊まりに行った時の事。 その家は海の近くにあり、庭から細い坂道を下ると、すぐに小さな入り江の海岸に出られる。 観光客も少なく、静かで波音だけが絶えず耳に届く場所だった。 Mさんは絵を描くのが好きで、親戚の…

閉館後のプールの中

大学生のKさんは、市民プールで監視員のアルバイトをしていた。 蒸し暑い夏の夜。 閉館時間の午後9時を過ぎ、遊びに来ていたお客さんたちは全ていなくなり、車の通る音や虫の鳴き声だけになっていた。 Kさんは手に持った懐中電灯で、プールサイドや更衣室に…

お盆の時期の座敷の灯り

これはTさんがまだ小学生だった頃の話。 Tさんは夏休みを祖父母の家で過ごしていた。 祖父母の家は山あいの小さな集落にあり、周りには田んぼが広がるとても静かな場所だった。 特に夏のお盆の時期は、昼間はセミの声がうるさいほどだったが、夜になるとカエ…

夜の田んぼにいた人

Yさんが学生だった頃の話。 Yさんは大学の長期休暇で実家に帰省していた。 久しぶりの故郷は、都会の喧騒とは無縁で静かだった。 その日の夜、急にコンビニへ行きたくなったYさんは、スマホのライトだけを頼りに、近道である田んぼ道を歩き始めた。 実家から…

物置の中にいる黒い塊

都心から離れた祖父母の家は、広い庭と、そこにある古びた物置が特徴だった。 Kさんは長期休暇でその家に帰省し、久しぶりの田舎の静けさを満喫していた。 しかしその静けさは、ある夜破られることになる。 真夜中、Kさんは物置のドアがカタカタと鳴る音で目…

人けのない海沿いの遊歩道

Sさんから聞いた話。 Sさんは仕事終わりの日課として、いつも海沿いの遊歩道を歩いていた会社員だった。 日中は観光客やカップルで賑わう場所だが、夜遅くになると人通りはほとんどなくなる。 街の灯りも届かない暗い遊歩道で、波の音と潮風だけが、日々の仕…