怖い話と怪談の処

ブログ名の最後の文字は(ところ)と読みます。怖い話や不思議な話が大好きな方、是非ご堪能下さい。記事への★ありがとうございます。

怖い話(未分類)

忘れ物の黒い傘

いつも忙しく働く、フリーランスのNさんから聞いた話。 ある日の夜、打ち合わせを終えて帰ろうとすると、外は雨が降っていた。 Nさんは急いで終電に乗り込み、なんとか最寄りの駅にたどり着く。 電車を降りて改札を出ようとしたその時、ふと視線が駅のベンチ…

人とは思えないものが立っている

友人のKさんが大学生だった頃の話。 Kさんは大学の夏休みを利用して、実家のある田舎に帰省していた。 都会の騒がしさから離れ、久しぶりに味わう静けさは心地よかった。 夜になると街灯の少ない道は漆黒に染まり、虫の声だけが響く。 Kさんはその日もコンビ…

突然停車してしまった電車

会社員のSさんが体験した話。 その日、Sさんは残業で遅くなり、最終電車に飛び乗った。 いつもと変わらない夜の駅、そして乗り慣れた路線の電車。 疲労で重い体を座席に沈め、Sさんは目を閉じた。 電車は定刻通りに発車し、ガタンゴトンと規則正しい音を立て…

座席の隣に何かが座った

大学生のTさんから聞いた話。 Tさんは大学の近くでアルバイトをしていて、いつも終電で帰宅していた。 その日はバイト先の店が急に忙しくなり、Tさんが解放されたのは日付が変わる寸前だった。 ホームは人影もまばらで、いつもの煩さが嘘のように静かだった…

海辺のスケッチ

Mさんが小学六年生の夏休みに、親戚の家に泊まりに行った時の事。 その家は海の近くにあり、庭から細い坂道を下ると、すぐに小さな入り江の海岸に出られる。 観光客も少なく、静かで波音だけが絶えず耳に届く場所だった。 Mさんは絵を描くのが好きで、親戚の…

閉館後のプールの中

大学生のKさんは、市民プールで監視員のアルバイトをしていた。 蒸し暑い夏の夜。 閉館時間の午後9時を過ぎ、遊びに来ていたお客さんたちは全ていなくなり、車の通る音や虫の鳴き声だけになっていた。 Kさんは手に持った懐中電灯で、プールサイドや更衣室に…

お盆の時期の座敷の灯り

これはTさんがまだ小学生だった頃の話。 Tさんは夏休みを祖父母の家で過ごしていた。 祖父母の家は山あいの小さな集落にあり、周りには田んぼが広がるとても静かな場所だった。 特に夏のお盆の時期は、昼間はセミの声がうるさいほどだったが、夜になるとカエ…

夜の田んぼにいた人

Yさんが学生だった頃の話。 Yさんは大学の長期休暇で実家に帰省していた。 久しぶりの故郷は、都会の喧騒とは無縁で静かだった。 その日の夜、急にコンビニへ行きたくなったYさんは、スマホのライトだけを頼りに、近道である田んぼ道を歩き始めた。 実家から…

物置の中にいる黒い塊

都心から離れた祖父母の家は、広い庭と、そこにある古びた物置が特徴だった。 Kさんは長期休暇でその家に帰省し、久しぶりの田舎の静けさを満喫していた。 しかしその静けさは、ある夜破られることになる。 真夜中、Kさんは物置のドアがカタカタと鳴る音で目…

人けのない海沿いの遊歩道

Sさんから聞いた話。 Sさんは仕事終わりの日課として、いつも海沿いの遊歩道を歩いていた会社員だった。 日中は観光客やカップルで賑わう場所だが、夜遅くになると人通りはほとんどなくなる。 街の灯りも届かない暗い遊歩道で、波の音と潮風だけが、日々の仕…

誰もいない深夜のデパート

Tさんという人から聞いた話。 Tさんは夜間の警備員として、都心にある大きなデパートで働いている男性だった。 昼間のデパートは人で溢れかえり、喧騒に包まれているが、深夜になると照明も落とされシンと静まり返る。 非常灯の薄暗い光だけが通路をぼんやり…

閉鎖された古いトンネル

Hさんは、大学の友人たちと廃墟巡りをするのが趣味だった。 廃れた場所の持つ独特の雰囲気に惹かれ、カメラ片手に様々な場所を訪れていた。 ある日、Hさんはネットの掲示板で「地図から消えたトンネル」という古いトンネルの存在を知った。 それは、かつて使…

クローゼットの中の服

とある学校で教員をしているKさんが、学生だった頃に体験した話。 Kさんは地方の大学に進学するため、初めて一人暮らしをすることになった。 大学から少し離れた築年数の古いアパートの一室を借りることになったのだが、家賃が相場よりもずっと安く、広さも…

薄暗い書架にあった黒ずんだ本

これは、Sさんという方が学生だった頃の話。 Sさんは大学で歴史学を専攻していた。 特に興味があったのは、郷土史。 地域の小さな図書館に通い、古い資料を読み漁るのが日課だった。 その図書館は町の中心部からは少し離れた、ひっそりとした場所にあった。 …

無人駅の背後に座った何か

ある年の夏、Kさんはいつもの地方の無人駅のホームで、最終電車を待っていた。 残業で遅くなってしまい、疲れた体をひきずって辿り着いたこの駅には、最終の到着を待つ乗客はKさん一人だけだった。 深夜の駅のホームは、街灯の明かりがぼんやりと照らすだけ…

森林公園のブランコ

ある晴れた週末の午後、Yさんは小学生になる娘を連れて、山のふもとにある森林公園を訪れていた。 都会の騒がしい場所と違い、休日でも人がまばらで、静かに過ごしたい家族にはうってつけだった。 Yさんの目的は、娘がネットで見て興味を持った、園内奥にあ…

赤いジャージ姿の人影

長距離トラック運転手のYさんは、全国各地を走り回る毎日を送っていた。 彼の仕事は、深夜の高速道路をひたすら走り続けること。 特にある山中の長いトンネルは、毎日のように通過する、もはや見慣れた景色となっていた。 その日は前日の寝不足がたたって、…

屋上にいた女の子

Tさんが高校三年生だった頃の話。 Tさんは昼休みになると、よく屋上に上がっていた。 誰もいない屋上でぼんやりと空を眺めたり、持参した小説を読んだりするのが好きだった。 屋上はTさんにとって、学校の中の喧騒から離れられる唯一の場所だったのだ。 ある…

一人でいると声をかけられる

Nさんが通っていた高校には、不思議な場所があった。 校舎の中央にある階段の、ちょうど半階分だけ上がる場所。 そこには普段誰も使わない小さな踊り場があるのだが、何故かそこは薄暗い。 ある日の放課後、Nさんはうっかりその踊り場にノートを落としてしま…

写真に写った黒い人

卒業を控えたMさんは、仲間たちとの思い出を残そうと、校舎のあちこちで記念写真を撮っていた。 体育館、昇降口、屋上…どこで撮っても大切な思い出になりそうな、卒業アルバムのページを飾るのにふさわしい写真ばかりだった。 次に選んだのは、放課後にはほ…

サークル棟に聞こえる重苦しい足音

これはKさんという大学生から聞いた話。 Kさんが通っていた大学のサークル棟は、古びた建物だった。 特に夜になると、薄暗い廊下の蛍光灯が心細く灯り、そこかしこからミシミシと木が軋む音が聞こえてくるような場所だったという。 そのサークル棟には妙な噂…

鏡の前に座る子

これは、演劇部だったTさんから聞いた話。 Tさんは、高校で演劇部に所属していた。 熱心な部員で、放課後はいつも部室に入り浸っていたそうだ。 部室は校舎の隅にあり、古くてあまり使われていない部屋だった。 独特の埃っぽい匂いがする、薄暗い空間。 その…

裏山で見かけた真っ白な服の人

Sさんは大学二年生の男子学生で、朝早くに家を出て通学していた。 彼の通学路は少し特殊で、毎朝6時には裏山を抜けてキャンパスへ向かうのが日課だった。 その裏山には舗装されていない細い小道があり、そこを通れば大学まで近道できるのだ。 朝の澄んだ空気…

ロッカーに入っていたノート

Hさんはごく普通の高校二年生だった。 いつも明るく、クラスの中心にいるような存在で友達も多く、学校生活を謳歌しているように見えた。 Hさんの日常は、放課後の部活動と他愛もないおしゃべり、そして時々テスト勉強に追われる、そんな他愛もない日々で成…

鏡の中から手を振る人

これは私の知り合いの、社会人のKさんから聞いた話。 Kさんは少し前に引っ越して、新しい部屋に置く鏡を探していた。 ネットのフリマアプリを見ていたところ、ちょうど良さそうな少しレトロなデザインの鏡を見つけた。 値段も手頃だったしすぐに購入を決めた…

山の中の校舎

これは私の友人である、大学生のYさんから聞いた話。 Yさんは昔から好奇心旺盛で、よく友達と心霊スポットや廃墟巡りをしていた。 ある夏の日、Yさんは地元の友人と二人で、とある山奥にあるという噂の「山の中の校舎」へ向かった。 その山道は鬱蒼とした木…

黒く塗りつぶされた噴水

私の友人のSさんは絵を描くのが好きで、よく公園やカフェでスケッチをしている。 ある日の午後、Sさんはいつものように近所の公園で、ベンチに座って風景を描いていた。 穏やかな日差しが降り注ぎ、鳥のさえずりが聞こえるごく平和な日常だった。 Sさんは公…

図書館の奥の本

あれは私がこの図書館で働き始めて、まだ間もない頃だった。 その図書館は町外れにある古い洋館を改装したもので、夜になるとまるで生き物のように軋む音がする。 特に奥まった場所にある書庫は昼間でも薄暗く、いつもひっそりと静まり返っていた。 ある日の…

いつも縁側で庭を眺めていたお婆さん

これは私の祖母の故郷で、祖母の近所に住んでいたという人の話。 その家は本当に古めかしい家で、築何年かも分からないような、黒光りした柱と軋む廊下。 そしていつも誰かがいるような、妙な気配がする家だった。 そんな家に一人暮らしのお婆さんがいた。こ…

古い手紙の連鎖

大学生のTさんは、休日の骨董市をぶらつくのが好きだった。 古いものに宿る物語を想像するのが、Tさんにとって至福の時間だったのだ。 その日も埃っぽい露店を眺めていると、Tさんの目に一冊の古びた包みが留まった。 黄ばんだ和紙で丁寧に包まれ、紐で結ば…