怖い話と怪談の処

ブログ名の最後の文字は(ところ)と読みます。怖い話や不思議な話が大好きな方、是非ご堪能下さい。記事への★ありがとうございます。

2024-01-01から1年間の記事一覧

廃屋の視線

知人のTさんが経験した話。 ある日、Tさんは趣味の登山の途中で、山奥で偶然見つけた廃屋について話してくれた。 古びた木造の家で、瓦は落ち、壁は所々崩れ、長い間放置されていた様子だった。 見た瞬間何か奇妙なものを感じたが、特に気にせずその日はその…

解体現場に現れた着物の女性

Tさんは解体現場の現場監督として多忙な日々を送っていた。 ある古い建物の解体作業中、不可解な出来事が起きた。 夜間作業中、ふと背後に人の気配を感じたTさんが振り向くと、そこには青白い肌の女性が立っていた。 彼女は古びた赤い着物を着てじっとこちら…

水面からスッと手が現れた

Mさんが体験した話。 ある日、彼は友人とともに山中の渓流へ釣りに出かけた。 人気のないその川は、地元では魚影が濃いことで知られていた。 朝早くから竿を垂らし、静かな時間を楽しんでいた。 昼を過ぎた頃、Mさんがふと川面を見つめていると、水中で何か…

薄暗い木立の間に何かがいる

知り合いのTさんが体験した話。 Tさんは休日に山奥の渓流へ一人で釣りに出かけた。 人里離れた場所で、川のせせらぎと鳥の声が心地よい場所だった。 日が傾き始めた頃、思いのほか釣果が良かったので、もう少しだけと竿を垂らしていた。 ふと背後から視線を…

棚の間から見つめる人影

Hさんがその工場の夜勤に入ったのは、その日が初めてだった。 大学を卒業して数年、工場の現場作業員として働いている彼にとって、夜勤は初めての経験ではなかったが、初めての場所ということで少し緊張していた。 その夜、作業室で数人の同僚と一緒に作業…

暗闇の山道の先

大学時代、登山サークルに所属していたMさんから聞いた話。 新入生歓迎合宿の一環で、彼らは山間のコテージに泊まることになった。 そこは森に囲まれ静かな場所だった。 一行は昼過ぎに到着し、荷物を運び込んだ後、これからのスケジュールを確認したり夕飯…

渓谷の岩壁に浮かび上がる人

山好きのNさんから聞いた話。 梅雨のある日、彼は地元で有名な渓谷近くのキャンプ場にテントを張った。 天気予報では小雨程度と聞いていたが、その日は一日中土砂降りだった。 夕方、暇を持て余したNさんは、雨音を聞きながらテントの中で地図を眺めていた。…

雨上がりの古い道

ネットで知り合ったHさんから聞いた話。 彼が趣味で廃道巡りをしていた時のこと。 場所は某県の山奥。 地元では「崩れ道」と呼ばれ、長年使われていない古い山道だったらしい。 雨上がりの午前中、Hさんはその道を歩き始めた。 苔むした石畳や、ところどころ…

山奥の峠にある休憩所

これは友人のKさんから聞いた話だ。 Kさんが車で一人旅を楽しんでいた年末のある日のこと。 深夜1時頃、山奥の峠道を走っていた時、ふと人気のない休憩所が目に留まった。 少し休憩しようと思い、車を停めて外に出たのだという。 休憩所はひっそりとしていて…

年越しそばの配達

おそば屋さんで働いているTさんが、何年か前に経験した年末の奇妙な出来事。 それは12月31日の夕方、普段は配達を頼まない家から「夜遅くに年越しそばを届けてほしい」という連絡が入ったところから始まった。 その家は街外れにあり、古い日本家屋だった。 …

霧の日の乗客

Yさんが新人の頃、ロープウェイの係員として働いていた時のこと。 その日は昼過ぎから濃い霧が立ち込め、視界がほとんど効かない状態だった。 霧の日は乗客が少なくなることが多く、Yさんも特に大きなトラブルなく終われるだろうと考えていた。 午後5時を過…

冬の山小屋で消えた人

大学生のAさんたち5人は、年末休暇を利用して山奥の小屋に泊まることにした。 地元の人が「使っていないから自由に使っていい」と教えてくれた場所で、古びた薪ストーブが中心にあり、壁際には簡素な布団が並べてあるので使ってくれとの事だった。 Aさんた…

引きずり込もうとする池

ある池は地元で「夜になると人を引きずり込む」という噂が絶えない場所だった。 昔その池で恋人を待ち続けた女性が命を落とし、その未練が池に染みついているという話だ。 噂によれば夜に池のほとりに立つと水面に女性の姿が映り込むことがあり、彼女はその…

ふわふわと漂う光の玉

子ども会のキャンプでの夜、Rさんは友達と一緒に肝試しイベントに参加していた。 ルールは二人一組になり、キャンプ場の施設の周囲をぐるりと一周するというもの。 途中には保護者が何人か隠れていて驚かせる役をしているが、暗闇の中を歩くだけで十分に怖い…

深夜、雨の中を歩き回る音

単独登山を趣味にしているYさんは、その日も山深くまで入り込んでいた。 天気予報では夕方から雨という話だったが、いつものように山道を進んでいると、予報よりも早くポツリポツリと雨が降り始めた。 雨足は次第に強くなり、Yさんは近くにあった枝の長い…

叫ぶ果実

知り合いのHさんが、ひとりで山道を歩いていたときのこと。 初夏の頃で木々の緑が生い茂り、風も涼しく歩きやすい日だったという。 彼は普段通らないような細い道を選んで進んでいたが、ふと目を引くものがあった。 木自体はよく見る木なのだが、まるで果実…

手招きする白い手

夏の終わり、Sさんたちは登山がてら人里離れた山中で野営をすることにした。 メンバーは4人、夜になれば山は静まり返り、虫の音だけが響いている。 テントの中で軽い雑談を続けていたが、やがて疲れもあり全員が寝袋に入って眠りについた。 しかし深夜にな…

映画館の隅の席の客

地方の小さな映画館でアルバイトをしていたMさん。 そこは昔から地元の人たちに親しまれている劇場だが、古さもあり、夜になると少し薄気味悪さがあった。 Mさんはある日の閉館作業中、上映が終わって静まり返った劇場内を一人で見回っていた。 忘れ物がな…

体育館の天井にいた何か

田舎の中学校に通うSくんたちは、地元ではちょっとした悪ガキグループ。 夜の学校に忍び込んで遊ぶのが密かな楽しみだった。 その日、Sくんたちは鍵が閉まり忘れていた体育館に集まり、バスケットボールで遊んでいた。 誰もいない夜の体育館は広々としてい…

声が聞こえる深夜の放送室

Kさんたちがその噂を耳にしたのは、学校の怖い話が話題に上ったある日のことだった。 「誰もいない深夜の放送室で、囁き声が響いてくるらしい」 そんな噂に興味を持ったKさんと仲間たち3人は、ある夜忍び込むことを決意した。 「けどさ、学校なんて夜は鍵…

友人の家の座敷わらし

Eさんは友人の家に泊まりに行くことになった。 そこは古びた一戸建てで、地元では「座敷わらしが出る」と噂されている家だった。 友人も何度か足音を聞いたり、小さな影を見たりしたことがあるらしい。 もし本当に座敷わらしがいるのなら幸運を呼ぶと聞いて…

天井から垂れる白い顔

Rさんは週末、友人と訪れた山小屋に泊まっていた。 木造の簡素な造りだが山の静けさと星空が心地よく、夜は早めに床に就いた。 深夜ふと目が覚めると何かの気配を感じた。 部屋は暗く、窓から月明かりがぼんやり差し込んでいる。 ぼんやりと天井を見上げた…

3階で止まったエレベーター

大学のレポートを終えたのが夜中の1時過ぎ。 Sさんは住んでいるマンションの近くにある、24時間営業のコンビニに行こうと部屋を出た。 古びた6階建てのマンションは築30年以上で住人も少ない。 3階と4階は特に空室が多く、ほとんど使われていないと聞いてい…

深夜、階段を上がってくる音

大学を機に一人暮らしを始めたSさんは、駅から少し離れたアパートに引っ越した。 築年数は古いものの家賃は安く、周囲は静かで最初の印象は悪くなかった。 しかし、引っ越して数日が過ぎた頃から夜になると妙な現象に気付き始めた。 深夜12時を過ぎた頃。 明…

映り込む青白い手

大学生のSさんは、アパートの自室で深夜まで動画を見ていた。 小さなワンルームで家具は少なく、背後には狭いクローゼットがあるだけだ。 時刻が午前2時を回った。 部屋は照明を消していたのでスマホの明かりだけ。 ベッドに横になりながら、何気なくホラー…

木の上にいる白い人のようなもの

秋も深まり、夜になると肌寒さを感じるようになった頃、Fさんは友人のKさんと二人で山奥のキャンプ場へ来ていた。 平日のためか他のキャンパーの姿は全く見当たらない。 静かな森の中、Fさんたちは焚き火を囲み、暖を取りながら語り合っていた。 Kさんは昔か…

突然消える焚き火

大学生のSさんたち友人グループ5人は、夏休みを利用して山奥のキャンプ場を訪れていた。 普段の喧騒から離れ、自然の中で思い切りリフレッシュするつもりだった。 そのキャンプ場はあまり整備されておらず、周囲には人影もなく静かだったが、むしろその孤独…

木立から聞こえる微かな囁き声

夕暮れ時、Kさんは山奥の静寂に包まれた場所に一人テントを設営していた。 辺りは深い森に囲まれ、日が落ちると共に鳥の鳴き声も聞こえなくなってくる。 テントの設営を終え焚き火を起こそうとしたその時、近くの木立から微かな囁き声が聞こえてきた。 最初…

消える海辺の白い足跡

Hさんがその話を聞いたのは、地元の漁師である叔父からだった。 その漁師町には昔から奇妙な噂があり、干潮時の夜に現れるという「白い足跡」の話だ。 「誰かが歩いた跡のようなんだけど、途中で必ず消えるんだ。 消える場所の近くでは、妙に風が冷たくなる…

山小屋の窓の顔

Tさんがその話を耳にしたのは、高校時代の友人からだった。 地元の外れにある山の麓に、使われなくなった小さな山小屋がある。 今では廃屋となり誰も近寄らない場所だ。 しかし、その山小屋には妙な噂がつきまとっていた。 「夜になると、窓にぼんやりと顔が…