秋も深まり稲穂が黄金色に輝く頃、Mさんは夕方まで田んぼで稲刈りをしていた。
日が沈みかけた頃、あと一息だと作業していると、背後で「カサカサ」と何かが擦れるような音が聞こえてきた。
風が稲を揺らしているのだろう、と最初は気にせずにいた。
しかし作業を続けていると、その音はだんだん近くまで迫ってくるように感じる。
不安になったMさんが周囲を見渡すと、田んぼの端に白い着物を着た影がぼんやりと見えた。
続きを読むこれはKさんが中学生の時に体験した、秋祭りでの不思議な出来事。
その日は秋の収穫を祝う祭りが盛大に行われていた。
神社の本殿にはススキや団子、お米が奉納され、収穫の恵みに感謝を捧げる飾りが秋の実りを象徴していた。
出店には栗やサツマイモ、柿など秋の味覚が並び、Kさんと友人たちはそれを楽しんでいた。
境内の提灯が柔らかい光を灯し、秋らしい紅葉の飾りが風に揺れている。
祭りの喧騒の中、ふとKさんは奇妙な視線を感じ始めた。
続きを読むある満月の夜、これはSさんが体験した月見をしていた時の話。
その日はとても綺麗な満月で、Sさんは友人と三人で郊外の広場に出かけて月見を楽しんでいた。
風もなく少しひんやりとした夜。
月明かりが淡く地面を照らし、三人はしばらく無言で月を見上げていた。
ふと、Sさんが広場の端にある森の方へ目を向けた時だった。
月明かりの下で何かが動いているのが見えた。
続きを読むこれは、数年前に知り合いのUさんが体験した不気味な話。
その夜、Uさんは仕事の関係で遅くなり、深夜に一人で山道を車で走っていた。
山道は街灯もほとんどなく、車のヘッドライトだけが道を照らしている。
車内には静かにエンジン音が響くだけで、Uさんは早く家に帰りたいと急いでいたのだが、何となく後ろが気になったUさんはバックミラーを見た。
すると後部座席に見知らぬ女が座っているのが見えた。
続きを読む