怖い話と怪談の処

あなたが今読んだその話、本当に「作り話」だと言い切れますか?

落ち葉の底の気配

これはキャンプ場でバイトをしていた、大学生のNさんから聞いた話。

 

秋の深まりとともに客足が落ち着いた、山あいのキャンプ場でのこと。

その日は紅葉の季節が終わって大量に積もった、落ち葉の清掃作業に追われていた。

 

「おい、N!そっちの区画が終わったら、次は奥の炊事棟周辺を頼むってさ」

同じ大学から一緒にバイトに入っているKさんが、プラスチック製の大きなレーキ(熊手)を肩に担ぎながら声をかけてきた。

「了解。そっちは終わったのか?」

「まあね。にしても、今年の落ち葉は湿っぽくて重いから腰にくるわ」

Kさんは苦笑いをしながら管理棟の方へ歩いていく。

 

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地面の下の指先

ネットで知り合ったTさんから聞いた話。

 

秋晴れの心地よい気候に誘われ、数人の仲間たちと山あいのオートキャンプ場を訪れていた。

紅葉に囲まれたサイトでの一泊二日を存分に楽しんだ翌日の朝、テントやタープを片付ける撤収作業に追われていた。

 

「いやあ、よく寝たな。そろそろ全部まとめちまおうか」

友人のSさんが声を張り上げながら、ペグ抜きを片手に周囲の地面を確認していく。

Tさんも自分の担当エリアの荷物を車に積み込みつつ、地面に残されたペグを回収しにかかった。

 

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沈み込んでいくペグ

フリーランスとして働くTさんが、友人と秋の山へ出かけたときの話。

 

十一月の上旬、枯れ葉が一面に敷き詰められた静かなサイトで、ふたりはそれぞれのテントを設営した。

夜が更けるにつれて山風が強まり、枯れ葉がサササと不規則に舞い上がる音が周囲に響き始める。

風の勢いに不安を覚えたTさんは、テントを固定しているペグを打ち直そうと、一人で外へ出た。

 

懐中電灯の光で足元を照らしながら、地面に打ち込まれたペグを一本ずつ確認していく。

そして、テント奥の端にある最後のペグに光を当てた瞬間、Tさんは息を呑んだ。

 

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黒い塊から聞こえる音

会社員として働いているKさんが、二十代半ばの頃の話。

 

十一月の上旬、紅葉を楽しもうと、Kさんは一人で山奥にある静かなキャンプ場を訪れた。

季節の変わり目ということもあり、その日の利用者はKさんだけだった。

 

夜になり、山の中は風もなく、周囲はしんと静まり返っていた。

冷気が満ちる中、Kさんはテントの中でランタンの明かりを頼りに、穏やかな時間を過ごしていた。

その静寂を破ったのは、唐突な音だった。

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十五夜のススキの影

秋の十五夜の夜、Kさんは祖父から奇妙な言いつけを受けていた。

「十五夜の月明かりの下に伸びるススキの影は、絶対に踏むなよ」

理由は語られなかったが、祖父の真剣な眼差しが印象に残る。

 

夜が更け、家の中が静まり返った頃、Kさんは言いようのない好奇心に駆られていた。

ただの植物の影をなぜ踏んではいけないのか。

それを確かめたくなり、Kさんはこっそり家を抜け出し、裏山のススキ野原へと向かった。

 

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物置小屋の横にいた黒い塊

Sさんが大学生だった頃のお話。

 

中秋の名月の夜、地方の実家に帰省していたSさんは、一人で縁側に腰掛けて夜空を見上げていた。

雲ひとつない澄み渡った空に浮かぶ丸い月が、静まり返った庭の草木を白々と明るく照らし出している。

 

風もなく、虫の音すら聞こえない妙な静寂の中、Sさんはふと庭の隅にある物置小屋の横へ目をやった。

そこに何かがある。

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誰もいない待合室

歯医者の定期検診のため、夕方の静まり返った院内に入ったOさんの話。

 

自動ドアをくぐり抜けると、いつもであれば消毒液の匂いと控えめなBGMが流れているはずの空間が、妙に重苦しい静けさに包まれていた。

受付のカウンターには誰の姿もなく、奥の診察室からも、歯を削る機械の音や器具がぶつかるような気配は一切聞こえない。

Oさんは少し首を傾げながらも、消毒液で手を済ませてから、待合室の隅にある柔らかな椅子に腰掛けた。

 

待合室の窓の外では、夕暮れの空が少しずつ紫色の闇へと溶け込んでいく。

 

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