怖い話と怪談の処

このブログは知り合いから聞いた話や、思いついた話を載せていきます。完全に自作した話やAIにアイデアを貰った話、心霊系動画に使えそうな素材等を置いていきます。使用したい場合はこのサイトについてを、画像素材は画像素材のTOPの注意事項を必ず読んで下さい。

コピー機の奥

Fさんが残業で遅くなった時の事。

 

時刻は深夜0時を回っていた。

作業に区切りを付ける為、やってる作業を保存してソフトを終了した。

すると突然、事務室の電気が点滅し始めた。

最初はただの電気のトラブルだろうと思っていたのだが、コピー機の奥から微かな声が聞こえてきた。

何事かと耳をそばだてると、その声がはっきりと聞こえた。

 

「遅くまでお疲れさま。でももう少しで終わりだよね。」

 

Fさんは驚きと共に周りを見回すが誰もいない。

ただ機械の奥から聞こえるだけ。

同僚がいたずらで隠れてるか、携帯でも置いてあるのか?

とその声の元へ近づいて行く。

コピー機の近くに立つと、急に電気が消え真っ暗になり、Fさんが使ってるパソコンのモニターの光だけになった。

Fさんは驚いたが、同僚の誰かのいたずらだと思うようにし

「もう十分驚いたから、いたずらは止めて電気を付けてくれ」

と言った。

 

次の瞬間、冷たい手がFさんの肩に触れるような感覚が広がり、パソコンのモニターの光で薄っすらと見える部屋に、ぼやーっとした人の影が現れた。

Fさんの目の前に立つ影は、形がはっきりしていないが背広を着ているようだ。

 

「お疲れ様。これからもよろしくね。」

 

と影が囁くと、あたりに強烈な寒気が走り電気が点いた。

と同時に、先程まで目の前にいた影はもうどこにも見当たらなかった。

何が起きたのか理解できないが、Fさんは急いで事務室を出て帰宅することにした。

 

Fさんにこの話を聞いた時、一体何が「もう少しで終わり」なのか、そして「これからもよろしく」とはどういう意味なのかを考えてしまったが、怖くてFさんに問う事は出来なかった。