深夜、寒々とした工場の中で数人の従業員が残業をしていた。
機械の音が響く中、彼らは黙々と作業を続けています。
すると、突然一人の従業員が「誰かいる!」と叫びた。
他の作業員は驚いて彼を見ると、彼は指を工場の奥に向けていた。
そこには薄暗い影が立っているのが見えた。
従業員たちは口々に誰?そこで何してるの?と声をかける。
それは人間のような形をしていたが、全体が真っ黒。
影は静かに立っているだけで、何もしないし何も言わない。
やがて「何してるんだお前」とその影に近づいて行く人がいた。
すると近づいた人が「え?」と言って目を擦ったり、奥の方を見たりキョロキョロしている。
見ていた人達も呆然としている。
人が近づいた途端、パっと消えてしまったのだ。
とりあえず警備員さんに知らせようという事になり、その日はもうまともに仕事どころではなかったので、ほとんどの作業員は帰る事になった。
後日聞いた話によると、警備員さんと上司が見回ったが怪しい人影はなく、また所々にある監視カメラにも不審人物は映っていなかったそうだ。