大学の探検部のメンバーであるA子は、夏休みの合宿で山奥の廃村を訪れていた。
その村は数十年前の山津波によって壊滅し、それ以来無人となってしまった。
A子たちは村の調査を目的として、廃墟となった家屋や神社などを探索していた。
ある日、A子は村はずれの森の中で奇妙な石碑を発見する。
その石碑には見たこともない文字が刻まれていた。
A子が石碑に触れた瞬間、彼女の頭の中に鮮やかな映像が流れ込んできた。
それは山津波が村を襲う瞬間の映像だった。
村人たちの悲鳴、濁流の轟音、そしてすべてが破壊されていく様子がまるで現実のように感じられた。
A子はその映像に衝撃を受け倒れてしまった。
目を覚ますと、彼女は廃村ではなく病院のベッドにいた。
周りには探検部のメンバーとA子の親がおり、目を覚ましたA子に歓喜していた。
医師からは、過労とストレスが原因で一時的な幻覚を見たのだろうと言われた。
しかしA子は、自分が見た映像がただの幻覚とは思えなかった。
A子は退院後も山津波のことが頭から離れず、図書館やインターネットで情報を集めた。
そして彼女は、あの石碑が村の守り神を祀ったものであり、村の歴史や災害の記憶を留めるために作られたものであることを知る。
また山津波の後、生き残った村人たちは別の土地に移住したらしいが、その多くが原因不明の病や事故で亡くなっていたこともわかった。
都市伝説的な噂になるのだが、呪いにより大災害が発生したそうだ。
ただその事を知るものは現在は誰もいないとの事なので、真相は分からない。