夏休みのある日、私と友達は地方の田舎の廃村を探索していた。
廃村は雑草が生い茂り、朽ち果てた家々が並んでいてまるで現代じゃないような雰囲気だった。
しばらく村を探索していたが、だいたい見終わったので次はその周辺を探索しはじめた。
すると村はずれの森の中に小さな祠を見つけた。
祠は古びていてところどころ壊れかけていた。
祠の扉は開いており、中を覗いてみると石像が置かれている。
どれどれ、と石像をよく見てみると、どこか不気味な顔つきをしていた。
石像の目は血のように赤く染まっていた。
その瞬間、背後から誰かに声をかけられた。
「その石像に触れるんじゃない!」
振り返るとそこには老婆が立っていた。
老婆は真っ白な髪をしており、目は鋭く尖っている。
「すいません、ついつい珍しいので見入ってしまいました。
この石像は何ですか?」
友達が老婆に尋ねた。
「それはこの村の守り神様だ。しかしその石像に触れると恐ろしいことが起こる。」
老婆は怖い顔つきでそう言って私たちを祠から遠ざけ、ここから早く立ち去れと言って睨んでいる。
私たちは怖くなり、急いで帰る事にした。
帰り道の途中、友達が
「何で廃村なのに人がいたんだろう。他に村人なんていなかったよな?」
と言った。
確かに村は廃村になっており、村の中を探索していた時には誰も見かけなかった。
あの老婆は一体何者なんだ?と二人で疑問になっていたが、流石にまたあの老婆に合ってそれらを聞くのは怖かったので、聞きに行くのはやめた。