私の故郷には、小さな山の上にひっそりと佇む古びた神社があった。
子供の頃、その神社は薄気味悪く近づくことを避けていた。
しかし大人になってから故郷を訪れた際、ふとその神社のことを思い出し足を運んでみることにした。
山道を登っていくと、木々の隙間から神社の屋根が見えてきた。
近づいてみると、境内に足を踏み入れるのも躊躇われるほどの異様な雰囲気に包まれていた。
鳥居は朽ち果て、社殿は崩れかかっており、まるで長い間放置されていたかのようだった。
しかし奇妙なことに、境内には子供のおもちゃが散乱していた。
人形やボール、ぬいぐるみなど、どれもまだ使えそうなものばかりだった。
なぜこんな場所に子供のおもちゃが?疑問に思いながらも私は社殿に近づいた。
すると社殿の奥からかすかに声が聞こえてきた。
それは子供の楽しそうな声だった。
声の方向に目をやると、社殿の奥にぼんやりと子供たちの姿が見えた。
彼らは皆、無邪気に笑いながら楽しそうに遊んでいた。
私は思わず声をかけようとしたが、次の瞬間、彼らの姿は消えてしまった。
残されたのは、散乱したおもちゃと静寂だけだった。