怖い話と怪談の処

いつも☆くださる方、ありがとうございます。このブログは知り合いから聞いた話や、思いついた話を載せていきます。完全に自作した話やAIにアイデアを貰った話、心霊系動画に使えそうな素材等を置いていきます。

【都市伝説系】職場の隠された部屋

古びた会社のビルには、知られていない謎の部屋があると噂されていた。

その部屋に足を踏み入れた者は、決して戻ってくることがないという。

その部屋の存在は、長年働いている社員たちの間でさえほとんど知られておらず、都市伝説のような扱いだった。

 

ある日、新入社員のTさんは、古い書類を探すために地下の資料室へ向かった。

地下通路は電気を付けても薄暗い、そんなコンクリートの地下通路を進んでいると、ふと壁の一部に不自然な継ぎ目があることに気づいた。

まるで隠し扉のようなその継ぎ目に興味を引かれたTさんは、そっとその部分を押してみた。

すると壁は静かな音を立ててスライドし、その先には黒い色の古びた扉が現れた。

「これが例の部屋か?」

Tさんは先輩たちから聞いた噂を思い出した。

好奇心に駆られたが、とりあえず必要な資料を資料室から取ってオフィスに戻り、その発見を誰かに知らせるべきか考えた末、メモを残すことに決めた。

仕事が終わり、Tさんは先程のメモを机の上に置いてから向かった。

 

扉は既に壁で隠されていたが、その壁を押すとまた壁がスライドして扉が現れた。

Tさんは扉を開けて中に入ってみた。

部屋の中は薄暗く、スマホのライトを使って見渡してみると、部屋の中央に机と椅子が置かれている。

気になったTさんは机を調べ始めた。すると机の引き出しの中に古い日記を見つけた。

その日記には驚くべきことが書かれていた。

「私はこの部屋に閉じ込められている。助けを求めても誰も気づいてくれない。この部屋は存在しないものとして扱われているのだ。ここに入った者は二度と出られない…」

読み進めるうちに、Tさんは背筋が凍る思いをした。

すると突然、部屋の扉が音を立てて閉まってしまった。

Tさんは慌てて扉を開けようとしたが、扉はびくともしない。

パニックに陥ったTさんは、壁を叩きながら助けを求めたが誰も応答する者はいない。

同僚に電話をして知らせないと!と思ったTさんは、スマホの画面をみて愕然とした。

何故か圏外になっていた。

 

しばらくして、残業をしていた同僚がTさんの机の上に置かれたメモを発見した。

メモには

「地下室の少し進んだ右手側に不自然な壁がある。何か秘密が隠されているかもしれない」

と記されていた。心配になった同僚は先輩にそのメモを見せ、一緒にその場所を探しに行った。

メモを頼りに注意深く右手側の壁を探すと、メモ通りの不自然な壁を見つけた。

同僚がそっと壁を押してみると、静かにスライドし、その先に古びた扉が現れた。

扉を開けると、そこには閉じ込められていたTさんが座り込んでいて、驚いた顔でこっちを見ていた。

Tさんはこの部屋には入っちゃ駄目だと同僚と先輩に言い、中に入ると扉が開かなくなること、そして過去にも誰かが閉じ込められたことを伝えた。

 

その後、Tさんとその話を信じた同僚と先輩は、その部屋のことを上司に報告しに行った。

普通ならそんな話は信じられないものなのだが、上司はその手の話が好きだったらしく、3人を急かしながらその地下部屋があるに向かった。

しかしたどり着いてみると、さっきまであったスライドする壁が消えており、いくら壁を叩いても扉は現れなかった。

上司は凄く残念そうにしており、3人にこう言った。

またその扉が現れたらすぐに知らせに来い。