怖い話と怪談の処

いつも☆くださる方、ありがとうございます。このブログは知り合いから聞いた話や、思いついた話を載せていきます。完全に自作した話やAIにアイデアを貰った話、心霊系動画に使えそうな素材等を置いていきます。

焚き火の向こうに見える影

キャンプ好きのYさんは、週末になるとよく山奥のキャンプ場へと足を運んでいた。

静かな自然の中で過ごす時間が、忙しい日常を忘れさせてくれるからだ。

 

ある秋の夜、Yさんは一人で山奥のキャンプ場へ向かった。

日が暮れた後、焚き火を起こして静かな夜を満喫していた。

炎の揺らめき、パチパチと弾ける音が心地よい。

しばらくその雰囲気を楽しんでいると、焚き火の向こう側に何かがいるような気がした。

よく見てみると、炎の向こうにぼんやりと人影が浮かび上がったように見えたのだ。

(誰かいるのか?)

Yさんは焚き火の向こう側をじっと見つめたのだが、人影はすぐに消えてしまった。

焚き火の揺らめきによるものかな、と思い、再び座り直して焚き火を見つめ続けた。

すると再び焚き火の向こう側に人影が現れた。

今度は一人ではなく、複数の人影がぼんやりと浮かび上がっている。

Yさんは目をこすり再度確認したが、やはり人影はそこにあった。

まるで闇夜の中で、無数の目がこちらを見つめているかのようだった。

恐怖心がじわじわと広がりその場から逃げ出したくなったが、足がすくんで動けない。

人影は次第に近づいてくるように思えたその時、突然背後から誰かに肩を叩かれた。

びっくりして振り返ると、そこには同じくキャンプ好きのSさんが立っていた。

「久しぶりだねYさん。よかったら一緒にお酒飲まない?」

Sさんはたまにこのキャンプ場で合う人で、合ったら一緒に話したりお酒を飲む仲である。

Sさんはニッコリと笑っているが、Yさんはまだ焚き火の向こうに見えた人影のことが頭から離れなかった。

返答に悩みながら先程影がいた方を見ると、そこには何もいなかった。

一人でいるとまた何かが現れるかもしれないと思ったYさんは、二つ返事でSさんの誘いに応じ、二人で朝方までお酒を飲んで酔っ払ったそうだ。