怖い話と怪談の処

このブログは知り合いから聞いた話や、思いついた話を載せていきます。完全に自作した話やAIにアイデアを貰った話、心霊系動画に使えそうな素材等を置いていきます。使用したい場合はこのサイトについてを、画像素材は画像素材のTOPの注意事項を必ず読んで下さい。

霧の中に浮かぶ背の高い人影

これは知り合いの人から聞いた話なので、聞いたそのままをここに記述します。

 

深い霧に包まれた山奥の森。

焚き火の爆ぜる音だけが響く静寂の中、キャンパーのVは一人、テントの中で不安に震えていた。

さっきから焚き火の向こうの霧の中に、人影のようなものがぼんやりと浮かんでいるのだ。

目を凝らせば、それはフードを深く被った異様に背の高い人影だった。

Vは恐怖に耐えきれず、テントから飛び出すと人影に向かって叫んだ。

「誰だ!何の用だ!」

だが、人影は答えることなくただじっとVを見つめている。

その目はまるで底なし沼のように暗く、Vの魂を吸い取らんばかりだった。

Vは逃げようと踵を返すが足がすくんで動けない。

人影はゆっくりと近づいてきて、Vの耳元で囁いた。

「お前も、すぐに仲間になるのだ」

次の瞬間、Vは意識を失った。

 

翌朝、捜索隊がVを発見したとき、彼の体は骨と皮だけに痩せ細り、まるで数十年も歳を取ったかのようだった。

そして彼の顔には、あの世のものとは思えぬほどの恐怖が刻み込まれていた。

あの夜、Vは何を見たのか、そして人影は何者だったのか。

それは深い霧に包まれた、山奥の森だけが知っている秘密である。

しかしそれ以来、あの森でキャンプをする者は、必ずと言っていいほど奇妙な現象に遭遇するという。

ある者は、夜中に誰かがテントの外を歩く音を聞いたと言い、またある者は、焚き火の向こうにフードを被った人影を見たという。

そして彼らの顔にも、あのキャンパーと同じように深い恐怖が刻み込まれていた。

彼らは皆、口を揃えてこう言うのだ。

「あの森には、何かがいる」と。