怖い話と怪談の処

このブログは知り合いから聞いた話や、思いついた話を載せていきます。完全に自作した話やAIにアイデアを貰った話、心霊系動画に使えそうな素材等を置いていきます。使用したい場合はこのサイトについてを、画像素材は画像素材のTOPの注意事項を必ず読んで下さい。

雪の上にあった赤いハイヒール

雪の降る夜、私は友人と二人で山近くの道を車で走っていた。

道の端にはだいぶ雪が積もっているためか、他に走っている車は無くガラガラ。

しばらくすると私たちは山間部に入り、視界が悪くなっていた。

雪は強くなり、路面も真っ白になり始めていた。

 

カーブを曲がると突然車の前に人影が現れた。

私は急ブレーキをかけ、車は間一髪で人影にぶつからずに止まった。

その人は雪まみれの帽子と白い服を着て、こちらに向かって立っていた。

「大丈夫ですか?」

私と友人は車から降りて人影に声をかけた。

しかし人影は何も答えず、ただじっとこちらを見つめているだけ。

その人の顔は雪で覆われている為かよく見えない。

友人が片手で口を覆い、私にしか聞こえないようにして小声で喋りかけてきた。

「なあ、この人なんか変じゃないか?」

確かにおかしい、雪の降る中こんな山道にいるし、話しかけても何も答えず微動だにしない。

私は恐怖を感じ、友人と車に戻ろうとした。

大丈夫そうなら行きますね、と言おうとした時、突然目の前にいたその人がフッと消えた。

友人と一体何が起きたのか分からず固まっていると、その人が立っていた所に赤いハイルールが置いてある。

ハイヒールはだいぶ古いのか、かなり汚れているようだ。

 

なんだか分からないけど恐怖に絶えられず、友人と急いで車に乗り込み車を走らせた。

友人と何だったんだ今の!?幽霊なのか!?と話し合っていると、突然吹雪になり目の前が見えなくなってしまった。

危ないので車を端に寄せ、収まるのを待つ事にした。

車の中で待っていると、私は奇妙な音に気づいた。

それは微かなうめき声のような音。

私と友人は音のする方を見たが雪以外何も見えない。

雪や風の音がそう聞こえたんだろうという事にした。

 

ずっと待ってるだけなのは暇なのでラジオを付けてみたのだが、ザザーというノイズ音しか入らない。

ラジオを切り、友人とたわい無い話をしていると、今度は車の窓ガラスをノックをする音がする。

え?と窓を振り返るが何もいない。

これも友人と気のせいだ気のせい、と言って気にしない事にした。

そのノックをするような音は私が座る運転席側からしたり、助手席に座っている友人の方の窓からも聞こえてきた。

二人共耳を塞ぎ目を瞑った。

やがて絶えられなくなり、私は

「ごめんなさい!すいませんが乗せる事も助ける事もできません!」

と叫んだ。

すると音が止んだ。

え?と思って恐る恐る目を開けると、さっきまでの吹雪が嘘のように止んでいる。

 

しばらくボーっとしていると、友人が

「なんだか分からないけど早く帰ろうぜ!」

と言ったので我に返り、車を走らせて山道を降りた。

 

その後は途中でコンビニに寄って飲食物を買って家に帰り、朝まで友人とその出来事を忘れるようにゲームをして騒いだ。