怖い話と怪談の処

いつも☆くださる方、ありがとうございます。このブログは知り合いから聞いた話や、思いついた話を載せていきます。完全に自作した話やAIにアイデアを貰った話、心霊系動画に使えそうな素材等を置いていきます。

廃寺にいた老婆

友人が大学時代に体験した話。

 

薄暗い山道を下山中、偶然廃寺を見つけた。

気になったので中も見てみようと廃寺に入っていった。

朽ちかけた門構え、苔むした石段、荒れ果てた本堂。

ひんやりとした空気と静寂が、異様な雰囲気を漂わせている。

好奇心と恐怖心の間で揺れながら、一歩ずつ本堂へと近づいていく。

ギシギシと音を立てる扉を開け中に入ると、そこには埃まみれの仏像と薄暗い空間が広がっていた。

 

突然背後から冷たい風が吹き抜けた。

振り返ると本堂の奥から人影がこちらに向かってくる。

近づいてくる人影は老婆の姿をしていた。

老婆は真っ白な顔で、鋭い眼光をこちらに注いでいる。

「出ていけ…」

呆然としていると、老婆はまた本堂の奥へ戻っていった。

色々と疑問が湧いたので老婆を追いかけて本堂に入ったのだが、真っ暗闇。

こんなところよく明かりも無しに進めるな、と思いながらライトを付け周りを照らしてみる。

しかし本堂の中には他に進める場所は無いし、隠れられそうな場所もない。

なのに先程の老婆が見当たらない。

 

友人はそこで怖くなり、引き換えして下山したそうだ。