古びた町に佇む一軒の古民家。
その古い家に住む老夫婦が、時折見かける不思議な光景に困惑していた。
ある日の夜更け、二人は共に居間で過ごしていた。
そろそろ寝ようかと話していた時、家の中に幽かな笑い声が響き渡った。
老夫婦は不思議に思い、その声がどこから来ているのかを辿ってみる事にした。
どうやら玄関先の方から聞こえているようだ。
玄関先に出ると、薄っすらと光る輪郭を持つ半透明の小さな子供が見えた。
その影はふわりと宙に浮いているかのようで、見上げると透明な瞳で老夫婦を見つめていた。
老婆が思わず声をかけると、影は微笑みかけながら指で「シー」という仕草をした。
するとその子供のような存在は消え去り、笑い声も静まった。