知り合いのRから聞いた話。
深夜、入院中のRは、病室でなかなか眠る事ができずウトウトとしていた。
というのも病室のすぐ外にある照明が、先程から点いたり消えたりを繰り返している。
Rは廊下側の為、その照明の光が気になってなかなか眠れない。
しばらくすると、廊下から誰かがゆっくりとした足取りで入ってきた。
看護師さんかな?と思って見ていると、服に黒い模様が点々と付いている。
変わった服だな・・・と思って見ていたのだが、そんな看護師の服なんてあるはずがない。
そこで思った、あの点々と付いてるのは血なのでは?
急に怖くなり、目を瞑って「こっちに来ないでくれ!」と心の中で何度も祈る。
どのくらい経ったか分からないが、恐る恐る目を開けてみた・・・。
そこには誰もいなかった。
Rはホッとして天井を見上げた。
視界の左に何かがいる。
え?と思ってそっちを向くと・・・先程の看護師らしき人が立っていて、Rの顔を覗き込んできた。
顔はハッキリとは見えなかったが、無表情。
Rは「うわああっ」と叫んでしまった。
すると廊下から静かに走ってくる音が聞こえ、「どうしました?」と声がした。
そっちを見ると夜勤の看護師さんが立っており、Rの方にやってきた。
Rは「こ、こ、この人!」と言った時左を見たが誰もいなかった。
「あ、え?あれ?」
しばらく言葉が出なかったが、すいません寝ぼけてしまいました。と看護師さんに伝えた。
結局それを見たのはその時だけだったようだが、朝起きた時に同じ病室にいた人がいなくなっていた事に気がついた。