怖い話と怪談の処

このブログは知り合いから聞いた話や、思いついた話を載せていきます。完全に自作した話やAIにアイデアを貰った話、心霊系動画に使えそうな素材等を置いていきます。使用したい場合はこのサイトについてを、画像素材は画像素材のTOPの注意事項を必ず読んで下さい。

ノッペサマ

知り合いのFさんから聞いた話。

 

Fさんは子供の頃、近所の子供たち7人くらいでよく遊んでいて、その日は地域にある神社へ向かった。

神社に集まったFさんたちは、だるまさんが転んだをして遊び始めた。

何回かやっていた時、Fさんが鬼の出番になった。

「だるまさんが~、ころんだっ!」

Fさんが振り向くと誰も動いていない。

もう一度、「だるまさんが~」と言った時、フェイントをかけてそこで振り向いた。

すると何人かの子供が動いたので、その子達を呼び寄せる。

皆ワーワーキャキャー騒いでいる。

そこでまたフェイントをかけて振り向いた時、皆の後ろの方にある森の木の方で「ガサッ!」と音がした。

皆何事だ?と振り向き、動物だったら怖いという事で皆Fさんの方に走ってきた。

Fさんたちが黙って見続けていると、木の影から何かが覗いている。

「なんだあれ」

Fさんがそう言うと、木の影からゆっくりと何かが姿を現した。

それは古ぼけた赤っぽい着物を着た女の子だった。

女の子は長い黒髪を垂らし、真っ白な顔には目鼻口がない。

子供たちは恐怖で声も出ない。女の子はFさんたちの方へゆっくりと歩き始めた。

 

「逃げよう!」

 

誰かが叫び、子供たちは一斉に逃げ出した。

Fさんも後ろを振り返りながら逃げた。振り返ると女の子はFさんたちを追いかけてくる。

Fさんたちは必死に逃げた。神社を飛び出し、住宅街を駆け抜けた。

女の子はFさんたちのすぐ後ろまで迫っている。

Fさんはもうダメだと思った。

その時、Fさんの家の前にある公園にたどり着いた。

「ここに入ろう!」

Fさんが叫び、子供たちは公園に飛び込んだ。公園に入った時に確認すると、女の子はいつの間にかいなくなっていた。

 

子供たちは公園のベンチに座り、息を切らした。

「あれは何だったんだろう?」

誰かが尋ねたが誰も答えは知らない。

Fさんたちはしばらく公園で話し合った後、それぞれ家へと帰っていった。

 

次の日、Fさんの近くの公園に、昨日の遊びに参加していた子供たちが集まっていた。

「ねえねえ、昨日神社で見たの、あれって何だったんだろう?」

一人の女の子が尋ねた。

「あれは、ノッペサマだよ」

別の男の子が答えた。

「ノッペサマって?」

「顔のない妖怪だよ。普段は出てこないんだけど、たまに子供にだけ見えるんだ。昨日みたいに楽しそうに遊んでいる子供を見ると、つい出てきてしまうんだって」

男の子は、自分の祖父から聞いた話を子供たちに話した。

「でも、じいちゃんもよくわからないって言ってたんだ。ノッペサマを見た子供の中には、行方不明になった子もいるらしい。視力を奪われた子もいるって噂もあるんだよ」

男の子の話に、子供たちは怖がった。

「じゃあ、昨日見たあの女の子はノッペサマだったの?」

Fさんが尋ねた。

「わからないけど、そうだとしたら僕たちも危なかったね」

 

それから子供たちの中には、親に子供だけで神社に行かない事って言われた子もいたそうで、他の子も子供だけで神社に行くことはなかった。

Fさんは今でもあの日の夢を見る事があるそうだ。

夢の中で女の子は、Fさんに向かって手招きをしてくる。

「おいで…おいで…」