トンネルでの恐怖体験の後、お腹がすいたFさんは、宿の人に教えてもらったコンビニへ向かった。
必要なものを買い込み、宿に戻るために田んぼの横を通る道を歩いていた。
するとどこからか何人かが喋っているような、よく聞き取れないけどザワザワとした声が聞こえてきた。
なんだろう?と周りを見ながら歩いていると、少し離れた街灯の近くに何人かの影が見える。
こんな時間だとなんか怖いな、と思いながら進んで行くと変な事に気がついた。
街灯の明かりに照らされているはずなのに、その人たちはいつまでたっても真っ黒なままだった。
Fさんは怖くなり、別の道を探そうとスマホで確認してみたが、自分の泊まっている宿はこの1本の道しかない。
Fさんは恐怖で立ち止まりどうすればいいか考えたが、いつまでもそこにいるわけにはいかない。
意を決してそれらを見ないように横を向きながら、道の端っこを歩き通過することにした。
やがて近づいてきた。
恐怖心でいっぱいだったが、何を喋っているのかも気になったFさんは、その言葉に集中して聞き耳を立ててみた。
しかし聞こえてきたのは、ノイズがかかったような「ザザーッ」という音だけだった。
Fさんはそれらを通り過ぎた瞬間、恐怖のあまり全速力で走り出し、宿へと戻った。