怖い話と怪談の処

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山奥のキャンプ場で見知らぬテント

社会人2年目のYは、大学時代からの友人S、A、K、山奥のキャンプ場へ向かっていた。

Yの提案で、都会の喧騒から離れて自然の中でリフレッシュしようと計画したのだ。

数時間のドライブの間、車内は音楽と4人の楽しげな会話で溢れていた。

キャンプ場に到着すると、彼らは手際よくテントを設営し、近くの川で釣りを楽しんだり森の中を散策したりして自然を満喫した。

 

日が傾き始めるとキャンプファイヤーの準備をし、夕食のバーベキューが始まった。

満天の星空の下、4人は学生時代の思い出話や仕事の話で盛り上がり、笑い声が絶えなかった。

しかし、夜も更けてくると、周りのテントの明かりは徐々に消えていき、辺りは静寂に包まれた。

虫の声と川のせせらぎだけが聞こえる中、Sがトイレに行くと言いテントを出て行った。

しばらくしてSが戻ってきたが、様子がおかしい。

「トイレの近くで見知らぬテントを見つけた」

と言うのだ。

昼間確認した時には、そんなテントはなかったはずだと言う。

気になってYとSは懐中電灯を持ち、そのテントを見に行くことにした。

テントに近づくにつれ中から微かに話し声が聞こえてくる。

テントの入り口が開いている。

Yたちはそこからそっと中を覗いてみると、そこには3人の老人が座り込んでいた。

古びた服を着ており、顔色は悪く、まるで幽霊のようだった。

YとSは恐怖で立ち尽くしていると、老人の一人がこちらに気づき、ニヤリと笑った。

他の老人もYたちに気づき、こちらを見ながらゆっくりとした手の動きで「おいでおいで」をしている。

2人は怖くなり、慌ててテントに戻って他の2人にその事を話した。

4人は恐怖で眠れぬ夜を過ごした。

 

翌朝、問題のテントを確認しに行くと、跡形もなく消えていた。

まるで最初から存在しなかったかのようだった。