怖い話と怪談の処

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手水舎にいた白い影

夏休みが始まったばかりの7月、ある中学校の2年生は、恒例の林間学校に出かけた。

場所は山奥にある古いキャンプ場。

生徒たちは自然の中で過ごす3日間を楽しみにしている様子だった。

 

初日の夜はキャンプファイヤー

火を囲んで歌を歌ったりゲームをしたりと、生徒たちは楽しい時間を過ごした。

夜の自由時間になり、各班ごとにテントに戻ると、興奮冷めやらぬ様子でしばらくの間はひそひそと話し声が続いていた。

その中にYという男子生徒がいた。

彼は少し内気で、クラスの中でも目立たないタイプだった。

その日、2つの班の男子メンバーで肝試しをしようと約束していたが、怖がりなYは内心気が進まなかった。

しかし、みんなに怖がりだと思われたくなかったので、無理をして参加することにしたのだ。

肝試しの場所はキャンプ場から少し離れた古い神社。

懐中電灯を手にもった人が先に暗い山道を進んでいったが、Yは最後尾を歩きながら周りの闇に怯えていた。

神社から少し離れた場所に着くと、ここから一人ずつ神社に入って行き、そこでお参りをして戻って来る、というのが肝試しの内容だった。

 

皆一人ずつお参りをして戻って来る。

順番が最後になったYは、早く終わらせて帰りたい一心で、適当にお辞儀をして済ませた。

その時、Yは手水舎のあたりの木々の間に白い影が動くのを見た。

それは人の形をしていたが顔は暗くてよく見えなかった。

Yは恐怖で体が固まった。

しばらくすると、その白い影はゆっくりと消えていった。

 

Yは一目散に神社から逃げ出し、皆がいるところに戻った。

息を切らしながら他の子たちにそのことを話すと、クラスでいたずら好きとして有名なKが、

「皆待ってろ、俺が見てくる!」

と言って神社の方へ走っていった。

しばらくしてKが戻ってきた。

彼は得意げな顔で、

「何もなかったぞ!Yビビりすぎ!」

と笑った。

 

寝る前に聞いた話なのだが、Kは神社で小さなイタズラをしてきたという。

Yが幽霊を見たと言っていた手水舎のあたりに水を撒きまくったり、お賽銭箱の前に石を置く等。

彼はそれを笑いながら話していた。

 

次の日、Kがうなされているのに気づいたクラスメイトは、急いで先生に報告しにいった。

Kは高熱を出してしまい、林間学校を途中で帰ることになった。

あとから聞いた話なのだが、Kはその日、夢の中でYが見たのと同じ格好をした人に追いかけ回されたそうだ。