怖い話と怪談の処

いつも☆くださる方、ありがとうございます。このブログは知り合いから聞いた話や、思いついた話を載せていきます。完全に自作した話やAIにアイデアを貰った話、心霊系動画に使えそうな素材等を置いていきます。

友人の家の座敷わらし

Eさんは友人の家に泊まりに行くことになった。

そこは古びた一戸建てで、地元では「座敷わらしが出る」と噂されている家だった。

友人も何度か足音を聞いたり、小さな影を見たりしたことがあるらしい。

もし本当に座敷わらしがいるのなら幸運を呼ぶと聞いていたEさんは、期待に胸を膨らませていた。

 

その晩、Eさんは友人と遅くまで語り合った後、二階の客間に布団を敷いて寝ることにした。

電気を消すと部屋は深い闇に包まれた。

しばらくすると廊下の奥から「トン、トン、トン」と小さな足音が聞こえてきた。

Eさんは息を飲んだ。

暗闇の中で耳を澄ましていると、音は次第に近づいてくる。

軽やかで子供が走り回るような足音だった。

間違いない、座敷わらしだ!

Eさんはそっと布団を抜け出し部屋のドアへ近づき、少しだけドアを開け廊下の様子を伺う。

足音はすぐそこまで迫っている。

期待して眺めていると、廊下の奥に小さな影が見えた。

Eさんは思わず顔を前に出した。

しかしその影が近づいてきた瞬間、暗がりの中から浮かび上がったのは、小さな子供ではなく皺だらけの老婆の顔だった。

老婆はゆっくりとした足取りで近づき、Eさんが開けたドアの隙間の向こうに立ち止まると、じっとこちらを見つめた。

老婆は不気味に歪んだ笑みを浮かべると、ふっと闇に溶けるように姿を消した。

慌ててドアを閉めたEさんは布団へ飛び込み、震える体を抱きしめながら夜明けを待つしかなかった。

 

翌朝、友人に話しても「そんな老婆なんて見たことがない」と首を傾げるばかりだった。