怖い話と怪談の処

ブログ名の最後の文字は(ところ)と読みます。怖い話や不思議な話が大好きな方、是非ご堪能下さい。記事への★ありがとうございます。

2024-11-01から1ヶ月間の記事一覧

消える海辺の白い足跡

Hさんがその話を聞いたのは、地元の漁師である叔父からだった。 その漁師町には昔から奇妙な噂があり、干潮時の夜に現れるという「白い足跡」の話だ。 「誰かが歩いた跡のようなんだけど、途中で必ず消えるんだ。 消える場所の近くでは、妙に風が冷たくなる…

山小屋の窓の顔

Tさんがその話を耳にしたのは、高校時代の友人からだった。 地元の外れにある山の麓に、使われなくなった小さな山小屋がある。 今では廃屋となり誰も近寄らない場所だ。 しかし、その山小屋には妙な噂がつきまとっていた。 「夜になると、窓にぼんやりと顔が…

点灯する神社の灯籠

この話は地元の古い神社にまつわる奇妙な噂だ。 その神社は、山奥の細い道を30分以上歩いた先にひっそりと佇んでいる。 今では誰も参拝しなくなり、鳥居も苔むし社殿も傾いているという。 けれどそこには不気味な言い伝えが残っている。 「使われていないは…

ステージに立つ卒業生の霊

これは大学の先輩であるMさんから聞いた話。 Mさんが通っていた高校には、昔から奇妙な噂があったらしい。 「卒業式の時、ステージの中央に立ってる霊がいるんだって」 そう語り始めたMさんは、普段は冗談ばかり言う陽気な人だったが、その時だけは真剣な顔…

エレベーター 誰もいない階で誰かが乗ってきた

Yさんは仕事の都合で地方に転勤し、人口の少ない山間部のマンションに住むことになった。 築30年以上のそのマンションは住人が少なく、Yさんが出入りする時に他の住人と顔を合わせることはほとんどなかった。 その日、残業を終えたYさんは疲れ切った体でマン…