怖い話と怪談の処

いつも☆くださる方、ありがとうございます。このブログは知り合いから聞いた話や、思いついた話を載せていきます。完全に自作した話やAIにアイデアを貰った話、心霊系動画に使えそうな素材等を置いていきます。

オークションに出ていた木彫りの仏像

友人のRはアンティークや骨董品に興味があり、よくネットオークションを眺めていたそうだ。

 

ある日、彼はとんでもない掘り出し物を見つけた。

それは木彫りの仏像。

温かみのある木目、柔和な顔立ち、そして何より目を引いたのはその値段だった。

(こんな値段で、ありえない…)

本来なら数万円はするであろう仏像が、たったの数千円で出品されていたのだ。

説明文には「古い蔵から出てきたもの。詳細は不明」とだけ書かれていた。

Rは多少の不安はあったものの、その仏像の魅力に抗えず入札ボタンを押した。

 

その後その仏像には誰も入札してくることなく、彼は仏像を落札したのだった。

数日後、仏像が届いた。

予想以上に大きく、ずっしりとした重みがあった。

(すごい…本物だ…)

Rはその精巧な作りに感動した。

特にその優しい微笑みをたたえた表情は、見ているだけで心が安らぐようだった。

彼は早速自分の部屋の一番目立つ場所に仏像を置いた。

(良いものを見つけたなぁ…)

Rは満足げに仏像を見つめた。

 

だが、その夜から奇妙なことが起こり始めた。

夜中に目が覚めると、仏像の方からかすかに話し声が聞こえてくるのだ。

(気のせいだよな)

最初は気のせいだと思っていたのだが、次の日も、また次の日も毎晩のように話し声が聞こえてくる。

そしてある夜、Rは恐ろしいことに気付いてしまった。

仏像の表情が変わっているのだ。

昼間見ていた穏やかで慈悲深い表情は、そこにはなかった。

薄暗闇の中、仏像は目と口を歪ませ、憤怒の顔をしていた。

「う、うわあああああああーーーっ!」

恐怖に耐え切れず叫び声をあげた。

 

その後、折角手に入れたものだが出品して売ってしまったそうだ。