怖い話と怪談の処

いつも☆くださる方、ありがとうございます。このブログは知り合いから聞いた話や、思いついた話を載せていきます。完全に自作した話やAIにアイデアを貰った話、心霊系動画に使えそうな素材等を置いていきます。

朽ち果てた家で見つけた日記

廃墟巡りをしていた人が廃墟で見つけた日記。

 

7月1日

今日はこの村に引っ越してきた記念すべき日だ。

自然に囲まれた静かな場所で、都会の喧騒を離れて穏やかに暮らしていけると思うと、今から楽しみで仕方ない。

 

7月15日

この村の人々はどこかよそよそしい。

挨拶をしても目を合わせようとしないし、何かを隠しているような、そんな不気味さを感じる。

 

7月22日

夜中に家の外で奇妙な物音がする。

まるで誰かが家の周りをうろついているような、そんな気配を感じる。

気のせいであってくれればいいんだが…。

 

7月28日

村の古老に話を聞くことができた。

この村には決して入ってはいけない場所があるらしい。

「あの森だけは近づいてはいけないよ」

そう言い残して古老は去っていった。

 

8月1日

今日は満月だ。

夜空には不気味なほどに月が輝いている。

窓の外を人影のようなものが走り去るのが見えた。

今のは一体?

 

8月5日

森の中から助けを求めるような声が聞こえる。

行かなければ…。

 

8月6日

森の中に入っていくと奇妙な静けさに包まれた。

鳥の声もしない。

まるでこの森自体が私を拒絶しているかのようだ。

 

8月8日

森の奥深くで小さな祠を見つけた。

祠の中には古い鏡が置かれている。

その鏡を覗き込むと…、そこには私ではない、誰かの姿が映っていた。

 

8月10日

鏡に映っていたのは、この村のかつての住人だったらしい。

村人に話を聞くと、その人物は村のしきたりに背いたため森に追放され、そこで命を落としたのだという。

 

8月12日

夜中に誰かがドアをノックする音が聞こえた。

恐る恐るドアを開けてみたが誰もいない。

しかし床の上には泥のついた足跡が残されていた。

 

8月13日

足跡は森の方向へ続いていた。

私は足跡を追って再び森の中へと入っていった。

 

8月14日

森の奥で私は「それ」と出会った。

それは人間の姿をしていない、この世のものとは思えないおぞましいものだった。

それは私に向かって何かを訴えかけているようだった。

 

8月16日

気が付くと私は自宅のベッドの上にいた。

森で見たものはまるで夢だったかのようだ。

しかし、私の足首には森でつけられた覚えのない、深い傷跡が残っていた。

 

8月17日

村人たちの様子が昨日までと違う。

皆私を見るなり顔を背け、ひそひそと何かを話し合っている。

まるで私が何か恐ろしい秘密を知ってしまったかのように…。

 

8月18日

夜、激しい頭痛と吐き気に襲われた。

熱もあるようだ。

鏡を見ると、そこにはやつれていた私の姿があった。

だが何かが違う…。

私の顔に見覚えのない、赤い斑点が浮かび上がっているのだ…。

 

8月19日

斑点はさらに広がり、体中を覆い尽くそうとしている。

私はあの森で、決して触れてはならない何かに触れてしまったのだろうか…。

 

8月20日

もうろうとする意識の中、ドアを叩く音が聞こえた。

村人たちが私の部屋に入ってくる。

皆、冷たい目で私を見下ろしている。

「お前はもうこの村にはいられない…」

村長らしき男が、そう告げた。

「生きていたいなら何も聞かずに今日中に立ち去れ」

 

日記はここで終わっていた。