怖い話と怪談の処

いつも☆くださる方、ありがとうございます。このブログは知り合いから聞いた話や、思いついた話を載せていきます。完全に自作した話やAIにアイデアを貰った話、心霊系動画に使えそうな素材等を置いていきます。

木に浮かぶ顔

久しぶりに大学時代の友人たちと再会し、登山をした日の事。

F、Y、Eの3人は、それぞれ社会人となり、忙しい日々を送っていたが、この日は特別な計画があった。

大学時代によく行っていた山に登るため、朝方に駅で待ち合わせしていた。

「久しぶりだな、みんな!」

Fが笑顔で声をかけると、YとEも嬉しそうに頷いた。

彼らは久しぶりの再会に興奮しながら電車とバスを乗り継ぎ、目的の山へと向かった。

 

山に到着したのは午前中のまだ涼しい時間帯だった。

3人は山の景色を楽しみながら登山を開始し、途中で休憩を取りながら、お互いの近況を語り合い、楽しい時間を過ごしていた。

登山道の半ばに差し掛かった頃、Eがふと立ち止まった。

「あれ、ちょっと待って…」

「どうした?」

Fが尋ねると、Eは指差した先を見つめている。

「あそこ見てみて。木の幹に何か変なものが見えるんだ。」

3人はEが指差す方に目を向けた。

そこには一本の大きな木があり、その幹に奇妙なものが浮かんでいた。

それはまるで人の顔が浮かび上がっているように見えたのだ。

「うわ、何だあれ」

Yが驚きの声を上げた。

近づいてよく見ると、その顔は木の自然な模様が偶然にもそう見えるが、シミュラクラ現象とは違い、しっかりとした瞼を閉じた目と鼻と口がある。

これは凄い、写真に撮ろう、とFがスマホを取り出して構えた時、木に浮かんだ顔が一瞬にして消えてしまった。

「あれ?消えた!?」

Eが驚きの声を上げた。

今まで確かに顔があったのに今は何もない。

3人は驚いたが、また見てみたいという事でしばらく待っていたが、いくら待っても浮かび上がって来なかった。