怖い話と怪談の処

いつも☆くださる方、ありがとうございます。このブログは知り合いから聞いた話や、思いついた話を載せていきます。完全に自作した話やAIにアイデアを貰った話、心霊系動画に使えそうな素材等を置いていきます。

視えないモノからの着信

知り合いのKさんが体験した話。

 

Kさんはその日、残業で帰りが遅くなってしまった。

帰宅してシャワーを浴び、ベッドに横たわるともう午前2時を過ぎていた。

スマホの画面を確認し、明日のアラームをセットして寝る準備をしていた。

するとその時、スマホが突然鳴り出した。

急いでスマホの画面を確認するが、着信画面には見知らぬ番号が表示されている。

こんな時間に誰だ?と不思議に思いながらも好奇心が勝り、Kさんは電話に出た。

「もしもし?」

しかし返事はない。

ただ、かすかに息遣いが聞こえるだけだった。

しばらく黙って待っていると、電話の向こうから女性の声がかすかに聞こえてきた。

「…助けて」

Kさんは驚いて身を起こした。

「誰?どうかしたんですか?」

しかし再び沈黙が続いた。

Kさんがもう一度呼びかけようとした瞬間、電話は切れてしまった。

何だったんだ?いたずらか?

Kさんは再びベッドに横たわり、眠ろうとしたがさっきの声が頭から離れない。

しばらくして再びスマホが鳴り、同じ番号からの着信だった。

Kさんは恐る恐る電話に出た。

「もしもし?」

今度は息遣いすら聞こえず、完全な静寂が続いた。

「一体誰なんだ?」

その瞬間、背後からかすかな囁き声が聞こえた。

「後ろを見て」

Kさんは全身に鳥肌が立ち、恐る恐る振り返った。

しかしそこには誰もいない。

Kさんは再びスマホに耳を戻したが、電話はすでに切れていた。

そのままスマホの画面を消し、布団に潜り込んだ。

 

翌日、Kさんはそのことを友人のSさんに話すことにした。

SさんはKさんの話を聞いて少し心配そうに

「それ、何かの兆しじゃないか?気をつけた方がいいよ。」

 

それから数日、Kさんは何事もなく過ごしていた。

しかしまたある夜、同じ時間に同じ番号からの着信があった。

Kさんは恐怖心を押さえながら、再び電話に出た。

「もしもし?」

再び女性の声が聞こえた。

「助けて」

Kさんは震える手でスマホを持ち、ゆっくりと後ろを振り返った。

だが、何も見えない。

Kさんはすぐに電話を切り、そのまま布団に潜り込んだ。

次の日、再び友人のSさんに話すと、

「もしかしたら視える人が見ると、本当にそこに誰かいるのかもしれない。

もしまた掛かってきたら『悪いけど僕には何も視れないし、助言をすることもできない、だから他に行ってくれ』と言うといい」

とアドバイスされた。

 

その夜、Kさんは再び電話がかかってくるのを待った。

午前2時、スマホが鳴り、同じ番号からの着信だった。

Kさんは恐る恐る電話に出た。

「悪いけど僕には何も視れないし、助言をすることもできない。

だから他の人のところに行ってくれ。」

電話の向こうはしばらくの沈黙の後、かすかな笑い声が聞こえ電話が切れた。

その夜以来、Kさんのスマホにはその番号からの着信は二度となかった。

しかし、Kさんは今でも時々深夜に目が覚めると、背後に誰かの気配を感じることがあるという。