怖い話と怪談の処

いつも☆くださる方、ありがとうございます。このブログは知り合いから聞いた話や、思いついた話を載せていきます。完全に自作した話やAIにアイデアを貰った話、心霊系動画に使えそうな素材等を置いていきます。

狐の面を被った男

怖い話が好きなTさんが体験した話。

 

季節はもう夏の終わり頃、Tさんは懐中電灯を片手に、友人たちと一緒に人家からかなり離れた神社にやってきた

その神社に特に怖い話とかそういうのは何もないが、肝試しをしようという事でやってきたのだ。

時刻はすでに0時を過ぎている為、神社はシンと静まり返っていて、薄暗い中に佇む神社は不気味だった。

参道を歩く足音だけが響き渡り、友人たちの間に微かな緊張が漂っていた。

神社の境内を見渡していたTさんは、ふと視線を感じて振り返った。

そこには、狐の面を被った男が神社の入り口に立っていた。

男は真っ白な着物をまとい、じっとこちらを見つめている。

まるでその場に溶け込んでいるかのような静けさと、異様な雰囲気を漂わせていた。

「なんか怪しい人がいる」

と友人の一人が小声でつぶやき、Tさんも他の友人も頷いた。

その男の存在はどこか現実離れしていて、声をかけることすらできない。

男はしばらくその場に立っていたが、やがてゆっくりと動き出し、Tさん達の横を通り過ぎて神社の奥へと歩いていった。

 

しばらく動くことが出来なかったTさんたちだが、友人の一人が

「今の人、気になるから見に行ってみよう」

という一言でなるべく音を立てないように急いで追った。

しかし奇妙なことに、男が入ったと思われる神社の奥には誰もいなかった。

周囲を探してもその姿はどこにも見当たらなかったのだ。

「もしかして神様の使いか何かだったのか?」

と友人の誰かが言った。

Tさんたちは怖くなり、皆で謝罪して急いで帰ったそうだ。