怖い話と怪談の処

ブログ名の最後の文字は(ところ)と読みます。怖い話や不思議な話が大好きな方、是非ご堪能下さい。記事への★ありがとうございます。

2026-01-01から1ヶ月間の記事一覧

凍った池の向こう側に

この話はOさんから直接聞いたという、冬の山での出来事。 Oさんの実家は、町から車で一時間以上かかる山あいにある。 冬になると雪で道が閉ざされ、用がなければ誰も近づかないような場所だ。 その集落のさらに奥、林道を外れた先に小さな池があるという。 …

ここは、上りですか。下りですか

都内にある、築三十年ほどの雑居ビルでの話である。 そのビルの三階には小さなデザイン事務所が入っており、そこで働くAさんはその日、深夜まで一人で残業をしていた。 午前二時を回った頃。ふと、誰もいないはずの廊下から音が聞こえてきた。 コツ、コツ、…

正月に帰ってくるモノ

Rさんが子どもの頃、正月に田舎へ帰省したときに爺さんから聞いた話。 Rさんの実家は山に囲まれた集落の外れにあった。 人は少なく、年を追うごとに空き家が増えていくような場所だった。 正月の夜、炬燵に入って酒を飲んでいた爺さんが、ふとこんなことを言…

霧の沼と黒い足跡

Rさんという人から聞いた話。 Rさんの実家は、山間の小さな集落にある。 裏山には、昔から「決して近づいてはいけない」と言われている沼があった。 地元では迷い沼と呼ばれ、一年中霧が立ち込めていて、入ったら二度と戻れないと言われていた。 子供の頃は…

紫色の布が掛けられた鏡

たまたま入院中に知り合った、Fさんという人から聞いた話。 Fさんがその旅館で働き始めたのは、まだ二十代の頃だった。 宿場町の外れにある古い旅館で、木造三階建て。 廊下は歩くたびにみしりと鳴り、夜になるとどこからともなく水の滴る音が聞こえるような…