怖い話と怪談の処

ブログ名の最後の文字は(ところ)と読みます。怖い話や不思議な話が大好きな方、是非ご堪能下さい。記事への★ありがとうございます。

2025-10-01から1ヶ月間の記事一覧

脱衣所に落ちていた赤い布

Tさんがその銭湯へ行ったのは、秋の終わりの冷え込む夜だった。 大学時代の友人二人と久しぶりに会い、飲みのあと「せっかくだから温まって帰ろう」と、駅近くの古い銭湯に立ち寄ったのだ。 昭和の名残を感じる木の下駄箱、曇ったガラスの引き戸。 店の奥か…

N県・霧が深い森の灯り

KさんがN県の山中を走っていた時の体験。 その日は仕事の関係で、山を越えた先の町まで車で移動していた。 予定よりも遅くなり、峠に差し掛かる頃には夜になっていた。 霧が出始めたのは、ちょうど山の中腹を走っている時だった。 街灯はなく車のヘッドライ…

T県・◯◯の吊り橋

まだ夏のMさんたち三人が、T県の山間にある渓谷へ出かけたときの体験。 その渓谷は観光地というよりも、地元の人でもあまり近寄らない場所だった。 細い山道の先にある古びた吊り橋は、木の板が軋み、足元の隙間から谷底が見えるほど深い。 立ち昇る湿気と体…

夜の展望台にいたもの

Oさんが友人二人と夜景を見に行ったときの事。 季節は秋の終わり。 空気が澄んで星がよく見える夜だった。 三人は、街から少し離れた山の上の展望台に車で向かった。 展望台の駐車場には彼女らの車しかない。 他に人影もなく、周囲は街灯の届かない暗闇に包…

神社の裏にある穴

Hさんがその神社跡を見つけたのは、紅葉が始まる少し前の秋だった。 地元の山をひとりで登っている途中、地図にも載っていない細い道を見つけ、興味本位で入っていったのだという。 やがて木々の隙間から、崩れかけた鳥居が見えた。 近づくと苔むした石段の…

林道の奥の赤い屋根

Nさんが友人とドライブ中に体験した出来事。 季節は晩夏、夕方の陽が傾きはじめたころ。 山のふもとの道を走っていると、古びた標識に「この先通行止め」と書かれた林道の入口が見えた。 錆びたゲートが半分開いたままになっており、草がアスファルトの割れ…

廃村の石垣にあった顔

大学で地理と民俗を研究しているTさんが、サークル仲間と一緒に体験した出来事。 Tさんが所属していたのは「地誌探訪研究会」という、古地図をもとに昔の道や消えた集落を調べるサークルだった。 秋のはじめ、メンバーの四人、Tさん、Yさん、Oさん、そして新…

峠の祠に立つ影

ツーリングが趣味のSさんが体験した、夏の夜の出来事。 その日、Sさんは仕事帰りに遠回りして、昔使われていた旧道の峠を越えて帰ることにした。 街灯もほとんどなく車の通りもない。 アスファルトはところどころひび割れ、道端には草が生い茂っている。 そ…

配管の中から覗くもの

Nさんが新居として借りた、古い団地で体験した出来事。 築五〇年を超えるその団地は、外壁がところどころ剥がれている。 入居当初こそ多少の古さに目をつぶっていたが、住み慣れてくるにつれて、夜の静けさがやけに気になるようになった。 特に気味が悪かっ…

床下に置かれていた引き出し

古民家を改装して暮らそうとしていた、Rさんが体験した話。 Rさんが購入したのは、築百年を超える木造の家。 かつて庄屋だったというその家は、外観こそ立派だが中は傷みが激しく、柱の色も煤けて黒ずんでいた。 改装工事を自ら手伝いながら進めていたある日…

【動画あり】地元の人が近寄らない廃墟

大学生のSさんたち四人が、夏のある夕方に体験した出来事。 その日、彼らは肝試しをしようと、地元で「誰も近寄らない」と噂されている山中の廃墟を目指した。 そこは昔、別荘として建てられた木造のログハウスで、十年以上前から放置され、今では木や草に呑…

怖い話で動画が簡単に… 動画あり

Grokで誰でも簡単に動画が作れるようになりましたので、試しに動画を作ってみました。 今後Grokを使って動画を作ってみるかもしれませんので、動画ありの場合は記事タイトルに【動画あり】と付けて記事の一番したに貼り付けようかと思います。 ※Grokで作った…

【動画あり】廊下の暗がりに何かいる

この話は、都内のあるオフィスビルで働くMさんが体験した出来事。 そのビルは築二〇年以上経っており、外観こそ改装されていたが、内部の一部には古いままの場所も多く残っていた。 特に五階の廊下は妙に長く、昼間でも照明が弱く感じるほど薄暗かったという…

塩で囲まれた木彫りの仏像

この話は、Yさんがある神主さんから直接聞いたという出来事。 ある年の夏の終わり、神社にひと組の夫婦がやって来た。 二人は見るからに疲れ切った様子で、互いにほとんど言葉を交わさなかったという。 夫が両手で抱えていたのは、古びた木の箱。 神主が声を…

社務所の前に置かれる紙袋

地方の小さな神社で、神主をしているFさんから聞いた話。 年の瀬も近い、冷たい風が境内の木々を鳴らす頃。 その日、社務所を閉めようとしていたFさんは、社務所の前に置かれた一つの紙袋に気づいた。 茶色のどこにでもあるような紙袋。 だが、どこにも名前…

本堂で読経中に聞こてくる音

都市部の寺で修行をしている若い僧侶、Eさんから聞いた話。 Eさんがその寺に入ったのは、春先のことだった。 古いが手入れの行き届いた本堂は、朝の冷たい空気の中で、かすかに線香の香りを漂わせている。 毎朝の勤行はまだ薄暗い時間に始まる。 外の通りの…

別荘の窓から覗き込む影

大学生のTさんから聞いた話。 Tさんは人の住んでいない山奥の別荘で、短期の住み込み管理人をしていた。 仕事は主に、荒れた庭の手入れと別荘の清掃。 周りには何もないため、夜は真っ暗で、音がするとしたら野鳥の鳴き声か、どこかで動く動物の気配くらいだ…

社務所の引き出しにある小さな木箱

地元の古い神社で、長く務めていた元禰宜さんから聞いた話。 社務所には年代物の木机があり、その引き出しの奥には小さな木箱が収められている。 パッチン錠が付けられているのだが、神社の一部の人しか中を見たことがない。 引き出しの鍵は代々神主に引き継…

御札の裏に書かれている名前と…

Sさんが地元の神社で手伝いをしていたのは、夏の終わりのことだった。 そこは古びて参拝客も少なく、今は地元の人が交代で境内を管理している。 その日、Sさんは神主に頼まれて、境内の外れにある倉庫の整理を任された。 埃をかぶった木箱や、いつのものかわ…

深夜の参道に狐火が現れる

Mさんが中学生の頃の話。 夏休みのある夜、友人たちがMさんの家に泊まりに来ていた。 昼間から賑やかに遊んでいたが、夜になると自然と怪談話になった。 その時、Mさんの地元には、「深夜の参道に狐火が現れる」という古い噂があったのを誰かが思い出した。 …

鐘の音が鳴るとき

Kさんが高校生の頃、友人たちと夜中に肝試しをした時の話。 Kさんの住んでいる地域から、自転車で二十分ほど走った林の奥に廃寺があるという噂があった。 そこには鐘楼が残されており、夜になると鐘の音が響くと囁かれていた。 だが、廃寺は長い間使われてお…

階下から聞こえる「ドン」という音

学生だった頃のKさんから聞いた話。 Kさんは大学生で、アパートの二階の角部屋に住んでいた。 大学からは少し離れていたが家賃は安く、間取りも気に入っていた。 ある日、授業が午前中で終わり、昼過ぎにアパートに帰った。 普段なら誰もいない静かな時間。 …

朽ちかけた木材

お盆の時期、Rさんは気まぐれに一人で山奥にキャンプに出かけた。 都会の喧騒から離れ、二泊三日を自然の中で過ごす計画だった。 近くには澄んだ川が流れ、川面を渡る涼しい風が心地よい。 初日の夕方、焚き火の準備をするために周囲を歩き回って枯れ枝を拾…