2025-01-01から1年間の記事一覧
Kさんがその奇妙な体験をしたのは、つい数年前の大晦日のことだった。 友人たちと連れ立って訪れたのは、都心の大きな広場。 巨大スクリーンには残り時間が映し出され、周囲には年越しを祝う人々がぎっしりと詰めかけていた。 寒さは厳しかったが、熱気と期…
Sさんたちが高校生の頃に見た話。 同じ高校に通っていたSさん、Tさん、Mさんの三人は、クリスマスイブの夜、友人の家で集まった帰り道だった。 住宅街はうっすらと雪が積もり、家々の窓からは暖色の明かりが漏れている。 三人は並んで歩きながら話に盛り上が…
この話はKさんが大学時代に体験した話。 地方の大学に通っていたKさんは、築年数のかなり経った下宿の2階に一人暮らしをしていた。 その建物の1階の屋根には、見た目だけの煙突が付いていた。 昔は使われていたらしいが、今は中が完全に塞がれていて、穴はど…
じいちゃんがまだ独り身で、親と仕事をしていた時の事。 親から休みを貰い、気晴らしに一人旅に出た。 目的地は観光地として有名というわけでもない、地方の低い山だった。 登山といっても本格的なものじゃない。 地元の人が使う山道を辿るような、半日もあ…
ばあちゃんがまだ小学生だった頃の話。 村の外れに、夏の季節になると水がすっかり引いてしまう池があった。 雨がほとんど降らない年には池は完全に干上がり、底の泥がひび割れて広がっていたという。 大人たちは「あそこは危ないから行くな」と言っていたが…
じいちゃんがまだ十歳にも満たない頃。 村のあたり一面は麦畑だらけだったらしい。 麦の穂が風に揺れると、金色の波がざわざわと続いて、どこまでも広がる景色は子どもには楽園みたいだったという。 その麦山のふもとは、昼でもひっそりとした空気が漂ってい…
ばあちゃんがまだ二十代の頃の話。 当時の村は今よりもっと家も人も少なくて、夕方になると畑一帯がひっそりとしていた。 ばあちゃんは毎日のように、家の裏の畑で芋や野菜の世話をしていたらしい。 その日も空が少しずつ群青色に沈み始めるころ、畑仕事を切…
じいちゃんが子どもの頃の話。 家の裏手にある古井戸のまわりだけ、なぜか風が通らないような、むわっとした空気が溜まっていたらしい。 家族はその井戸のことをあまり話したがらなかったが、理由までは教えてくれなかったという。 ある晩、じいちゃん(当時…
じいちゃんがまだ中学生だった頃、夏休みの夕方に体験した出来事。 じいちゃんの家の周りは田んぼと山に囲まれた土地で、学校からの帰り道はいつも山の斜面を通る細い舗装路だった。 夏の夕方は、山の陰が早く落ちて涼しくなるが、そのぶん道は薄暗く、蝉の…
Sさんが小学生の夏休みに、ばあちゃん家で体験した出来事。 ばあちゃん家は山のふもとの集落にあり、道沿いに木造の家々が点在しているだけの静かな場所だった。 その日の午後、Sさんは従兄弟のAくんと一緒に納屋で遊んでいた。 納屋は農具や古い木箱が積ま…
この動画は2025/12/02 17時30分から見れるようになります。 大学生のKさんとRさんが、夏休みの夜に体験した出来事。 ふたりは同じサークルで、怪談や不思議な場所を巡るのが好きだった。 その日の夜も、地元で「白狐が見守る」と噂される古い神社へ向かうこ…
Sさんが中学生だった頃、夏休みの夜に体験した出来事。 その年の夏は連日蒸し暑く、日が沈んでも生ぬるい風がまとわりつくような夜が続いていた。 学校は休みに入り時間に余裕ができたSさんは、同じ中学の友人のTさん、Mさん、Yさんと夜に自転車で遊びに出か…
この話は、社会人のYさんが冬の終電後、最寄り駅を出て帰宅途中に体験した出来事。 その日は珍しく仕事が長引き、Yさんは終電ぎりぎりに飛び乗った。 無事に地元の駅に着いた頃には、すでに日付が変わっていて、周囲はひっそりしていた。 改札を出ると冷たい…
www.youtube.com 「本当に出るのかよ、幽霊なんて」 Fくんが笑いながら言った。 夕暮れの空が赤から紫に変わる頃、彼と友人のKくん、Mくんの三人は、町外れにある廃校舎の前に立っていた。 この学校は十年以上前に閉鎖され、今では誰も近づかない場所だった。…
前にX用に作った動画に少し付け足し、YouTubeにアップしました。 www.youtube.com
YouTubeにてチャンネルを開設しました。 ハロウィンの時期にXの方で投稿した6秒の動画を長くしたバージョンです。 気になった方は是非ご視聴ください。 www.youtube.com
じいちゃんが二十代の頃の話。 その日は秋の収穫が終わった後、納屋で道具の手入れをしていた。 夜の八時過ぎ、家族はすでに夕飯を終えて休んでいたが、じいちゃんは一人納屋に籠もっていた。 農具の刃を研ぎ、縄を巻き直し、翌日の準備をしていた。 納屋は…
じいちゃんがまだ小学校低学年だった頃の話。 その日は夏の終わりで夕方近く、日が傾き始め、空が赤く染まり始めていた。 じいちゃんは近所の友達と別れたが、遊びたりなかったじいちゃんは、一人で川辺に向かった。 家の裏手を少し行ったところに流れるその…
じいちゃんがまだ二十代だった頃の話。 秋の終わり、山の畑で夜明け前から作業に向かっていた。 山間の畑は冷え込みが厳しく、霧が立ち込めることもある。 じいちゃんは霜が降りる前に収穫を終えようと、まだ暗い中を懐中電灯ひとつで畑に向かった。 畑に着…
Sさんが小学6年生の秋の終わり頃のこと。 夕方18時を過ぎると、街灯が点いていても公園はすでに薄暗く、出歩いている人もほとんどいなくなる。 友達の家から自転車で帰る途中、早く家に帰りたかったSさんは、近道をしようと公園を通り抜けることにした。 普…
晩秋の夕暮れ、峠越えの林道を歩いていたのは、大学時代の山岳サークル仲間だった。 社会人になってからも年に数回集まり、軽いハイキングを楽しむのが恒例になっていた。 メンバーは四人。 Kさん、冷静で慎重な性格の持ち主。 Mさんは好奇心旺盛で、何か見…
知り合いのAさんが「今でも気味が悪い」と言って話してくれた、別荘での出来事。 季節は初夏。 昼は暖かいが、夜になると湖から冷えた風が上がってくる頃だった。 Aさんは友人たち三人と一緒に、森に囲まれた貸し別荘で過ごしていた。 周囲は濃い林に囲まれ…
北アルプスの支尾根にある古い避難小屋で起きた、Fさんたちの体験談。 季節は晩秋。 空気が冷え込み、日暮れがいつもより早く山を覆う頃のこと。 Fさんたちは大学時代から続く登山仲間で、社会人になってからも定期的に山へ入る関係。 この日はFさん、Tさん…
Mさんがその体験を話してくれたのは、秋が深まり始めた頃だった。 それは九月末、少し肌寒い朝の単独登山の日のことだったという。 山の天気は変わりやすく、午前中はよく晴れていたが、稜線に近づくにつれて風が冷たくなっていった。 稜線の手前で一息つき…
Sさんたちがその貸別荘に泊まったのは、夏休み終盤の二泊三日の合宿だった。 大学の山岳部で費用を抑えるために、山奥にぽつんと建つ安めの別荘を借りた。 電波は弱く、最寄りのバス停からもかなり歩く。 一日目は荷物を背負ったまま山道を登り続け、夕方に…
この話は郊外の小さな大学にある、怪談研究サークルの部員たちが実際に足を運んで確かめた噂の話。 Rさんたちが向かったのは、町外れに残された旧総合病院の跡地だった。 夏の終わりの湿気の多い夜。 虫の声だけが無音の中に散っていくような、ひっそりした…
古い地下駅の改修工事に関わっていた作業員、Aさんたちの体験。 その駅は地方の古い線で完成から数十年経っており、構内図にも載っていない旧改札が奥にあると聞かされていた。 ある日、Aさんは先輩のKさん、後輩のMさんとともに、閉鎖されて久しいその旧改…
夏の終わり、日が山の稜線に沈みかけていた頃。 Mさんと友人のTさん、Kさんの三人は、田舎の山奥でひっそり噂になっている場所へ向かっていた。 ネット上で数年前に流れた、ほとんど都市伝説みたいな書き込み。 ・山の奥の傾斜道を登っていくと、道とは思え…
この話は、地方にある終点駅で働くTさんたちの話。 Tさんは入社してまだ1年目で、この日は終電後のホーム清掃の担当だった。 同期のKさんとMさんも一緒で、三人でホーム端のゴミを拾って回り、床を磨き、一部の明かりの落ちた駅の中を黙々と歩いていた。 途…
取り壊しを目前にした旧地下鉄の管理施設。 そこにSさんたちは、夜中こっそり入り込んだ。 Sさんは大学で都市伝説のレポートを書いていて、「閉鎖された施設には、記録にない階がある」という噂を確かめるために来たのだ。 同行したのは同じゼミのTさんとKさ…