怖い話と怪談の処

いつも☆くださる方、ありがとうございます。このブログは知り合いから聞いた話や、思いついた話を載せていきます。完全に自作した話やAIにアイデアを貰った話、心霊系動画に使えそうな素材等を置いていきます。

古びた屋敷にあった人形

友人のSとK、そして俺の三人は、いつも肝試しを楽しんでいる。

ある日、Sが面白い話を持ってきた。

山奥にある古びた屋敷に、青いドレスを着た人形が置かれているらしい。

その人形を持ち帰ると夜中に動き出し、持ち主を襲うという噂があるというのだ。

「どうせただの噂だろ?」

とKが笑い飛ばし、俺たちはその屋敷へ行くことに決めた。

スマホで場所を確認したところ、車でいけば2時間くらいで行ける場所だったので、すぐに出発した。

夕方には屋敷に到着し、ボロボロの外観が俺たちの興味を引き立てた。

 

屋敷の中に入ると、埃っぽい空気と腐った木の匂いが漂っていた。

懐中電灯を頼りに進むと、一つの部屋の隅にその青い人形が置かれていた。

最初は子供が遊ぶような小さい人形だと思っていたのだが、思ったよりも大きく、金髪で青いドレスを着ていた。

「これが例の人形か…」

とSが呟きながら手に取った。

「俺が持って帰るよ。何も起きないって証明してやる」

と笑顔で言った。

 

その夜、Sの家に集まった俺たちは、人形をリビングに置き、酒を飲みながら怪談話をしていた。

しかし深夜になると妙なことが起き始めた。

窓の外で何かが動く音が聞こえたり、家全体が微かに揺れるような感覚があった。

「なんか、気味悪いな…」

とKが不安そうに言った。Sも少し緊張した表情を浮かべていたが、

「ただの気のせいだろ」

と笑っていた。

 

午前2時過ぎ、俺たちは眠ることにした。

俺とKはソファで寝ることにし、Sは自分の部屋へと向かった。

ふと目が覚めた時、部屋は真っ暗で時計を見ると午前3時を過ぎ。

すると突然、リビングの隅で微かな物音がした。

スマホのライトを点けて音の方を照らすと、そこには青い人形が立っていた。

「うわっ!」俺は驚きの声を上げ、Kもその声で飛び起きた。

人形が動くはずがない。しかしそれは確かに立っていたのだ。

この異変をSにも知らせないと、と思った俺たちは急いでSの部屋に駆け込んだ。

ドアを開けるとSはベッドでうなされていた。

汗びっしょりで何かに怯えた表情をしていた。

「S!起きろ!人形が動いたぞ!」

何度か声をかけたり揺さぶったりしていると、やっとSが目を覚ました。

「怖い夢でも見てたのか?」

Kが心配そうに尋ねた。

Sは震えながら、

「夢の中で青いドレスを着た女の人に追いかけられてた…」

と呟いた。

「彼女がずっと追いかけてきて『モトニモドセ…』って囁いてくるんだ…」

俺たちは顔を見合わせた。

リビングに戻ると青い人形は再び座っていた。

そのままにしておくわけにはいかないと感じた俺たちは、すぐに人形を元の屋敷に戻すことに決めた。

 

真夜中の道を車を飛ばして古びた屋敷へ急ぎ、屋敷に着くと元の部屋に人形を戻した。

皆で勝手に持っていってしまってごめんなさい!と何度か謝り、効果があるかは分からないけどカップ酒とおつまみを置いてきた。