Yさんがまだ小学生だった頃の話。
学校の帰り道、普段とは違う山道を通ることにした。
その山道は山のふもとに続く古い道で、ほとんど使われていない場所。
天気もよく、Yさんは一人で静かな山道を歩いていた。
すると道の途中で奇妙な石を見つけた。
普通の石ではなく、目、鼻、口が彫られているかのような石。
まるで小さな顔みたいに見えるその石に、Yさんは不思議な魅力を感じて手に取ってしまった。
「これは珍しい」
彼はその石をしばらく眺めた後、家に持ち帰ることにした。
何か特別なものを見つけた気分で家に戻り、その石を机の上に置いた。
その夜、Yさんはいつも通り布団に入って眠りについた。
しかし深夜、何かが囁いているような音が微かに聞こえ目が覚めた。
最初は風の音だろうかと思い、再び眠りにつこうとしたのだが、その囁き声のような音は止むことなく続いた。
「なんだ?」
Yさんは恐る恐る部屋の中を見渡したが誰もいない。
声が聞こえる方向を探ると、机の上に置いたあの石から聞こえてくることに気づいた。
「まさか、あの石が?」
Yさんは布団から飛び出し石に近づいてみたところ、確かに石から聞こえてくる。
まるで誰かが何かを訴えているような、低く重い音だった。
さらに驚くことに、石の顔が僅かに動いているように見えた。
目がゆっくりと開き、口がわずかに開閉しているように感じた。
恐怖で震え上がり、石に触れることすらできなかった。
Yさんはすぐに布団に戻り、朝が来るまで布団の中で震えていた。
翌朝、Yさんはその石の事を爺さんに話、その石を見せた所
「あの山でこういうのは拾っちゃいかん、飯を食べたらすぐにその場所に戻しに行くぞ」
と言い、朝ご飯を食べたあと、爺さんと一緒にその山に行く事になった。
石を手に持つと、昨夜の囁き声が再び微かに聞こえてきたような気がしたが、それを無視して山道へと急いだ。
石を見つけた場所に戻し、爺さんがお供えをした。
しばらくこの場所に近づいちゃいかんぞ、と爺さんに言われたあと学校に行ったそうだ。