怖い話と怪談の処

ブログ名の最後の文字は(ところ)と読みます。怖い話や不思議な話が大好きな方、是非ご堪能下さい。記事への★ありがとうございます。

2024-01-01から1年間の記事一覧

点灯する神社の灯籠

この話は地元の古い神社にまつわる奇妙な噂だ。 その神社は、山奥の細い道を30分以上歩いた先にひっそりと佇んでいる。 今では誰も参拝しなくなり、鳥居も苔むし社殿も傾いているという。 けれどそこには不気味な言い伝えが残っている。 「使われていないは…

ステージに立つ卒業生の霊

これは大学の先輩であるMさんから聞いた話。 Mさんが通っていた高校には、昔から奇妙な噂があったらしい。 「卒業式の時、ステージの中央に立ってる霊がいるんだって」 そう語り始めたMさんは、普段は冗談ばかり言う陽気な人だったが、その時だけは真剣な顔…

エレベーター 誰もいない階で誰かが乗ってきた

Yさんは仕事の都合で地方に転勤し、人口の少ない山間部のマンションに住むことになった。 築30年以上のそのマンションは住人が少なく、Yさんが出入りする時に他の住人と顔を合わせることはほとんどなかった。 その日、残業を終えたYさんは疲れ切った体でマン…

神無月に集まる狐たち

ある村の外れにある神社は、静かでひっそりとした場所だった。 神無月になると、村人たちはその神社に近づかないようにしていた。 理由は古くからの言い伝えによるもので、「神無月の夜になると神社の境内に多くの狐が集まってくる」とされていたからだ。 狐…

本殿の中から聞こえるうめき声

学生時代の友達だったSさん、Kさん、Tさん、Mさんの4人は、久々に集まることになった。 再会の喜びもあって、飲みながら話しているうちに、昔の肝試しの話題が出た。 そこで、勢いに任せて「もう一度肝試ししよう!」という話になり、ちょうど神無月の夜だっ…

お彼岸の橋守り

秋のお彼岸の時期になると、ある村の川に架かる古い橋には亡くなった渡し守が現れるという話があった。 昔その川には橋が無く、村人たちが対岸へ渡るために小舟が使われていたのだが、そこで渡し守が命を落としたという話がある。 そして毎年お彼岸の夜にな…

廃村の納屋 すすり泣く声

Yさんが昔住んでいた村の外れには、30分ほど山道を進んだ先に廃村があった。 誰も住んでいないその村は、草木に覆われ、時間が止まったような静寂が漂っている。 しかし、その中でも特に目を引くのが、村の奥にひっそりと建っている古びた木造の納屋だ。 Yさ…

月明かりの紅葉の影

山奥の神社へと続く紅葉の道は、10月の満月の夜に特別な雰囲気を漂わせる。 紅葉が月光を浴びて鮮やかに輝き幻想的な光景が広がるが、この道には古い言い伝えがあった。 満月の夜に一人で歩くと紅葉の影がゆっくりと動き、まるで誰かが後ろからついてくる気…

月見の夜の狐火

この話は、ある田舎の村で毎年10月の満月の夜に起こる不思議な出来事にまつわるもの。 その村には高台があり、村人たちはそこから満月を見るのを楽しみにしていた。 特に10月の月は美しく、満ちた月が夜空に輝く様子を村人たちは「月見の夜」と呼んでいた。 …

秋祭りの終わりに見た団体

これはBさんが体験した奇妙な話。 秋祭りの片付けが一段落し、Bさんは会場の片隅にあるベンチに腰掛けて一息つこうとしていた。 祭りの会場はさっきまでの賑やかさが無くなり、秋の冷たい夜風が肌に当たる。 そんな会場を見つめながら、今年ももう終わりか、…

紅葉の迷路

Kさんはその日、仕事が忙しくストレスを感じていた。 近所にある紅葉の名所がライトアップされていると聞き、一人でリフレッシュがてら夜の散歩に出かけることにした。 紅葉を見るのは久しぶりで、綺麗な景色を見て気分転換になるだろうと思ったのだ。 山道…

紅葉の季節に現れる巫女

秋の紅葉が美しい山奥のある神社には、毎年この季節になると、必ず赤い着物を着た女性が現れるという噂がある。 その神社は地元でも「神隠しの神社」として知られていて、昔から参拝者や村人が忽然と姿を消す事件がたびたび起こっていた。 Sさんがその神社を…

稲の音

秋も深まり稲穂が黄金色に輝く頃、Mさんは夕方まで田んぼで稲刈りをしていた。 日が沈みかけた頃、あと一息だと作業していると、背後で「カサカサ」と何かが擦れるような音が聞こえてきた。 風が稲を揺らしているのだろう、と最初は気にせずにいた。 しかし…

落ち葉の足音

秋の紅葉が美しい山道を、Uさんは一人でハイキングを楽しんでいた。 辺りはひっそりと静まり返っていて、時折風が吹くと木々の葉がカサカサと音を立てる。 足元には色とりどりの落ち葉が敷き詰められ、歩くたびにカシャカシャと音が鳴るのが心地よかった。 …

彼岸の渡し船

これはある家族が彼岸の季節に体験した話。 毎年春と秋の彼岸になると、家族でお墓参りに出かけることが習慣になっていた。 その年も例年通り、お供え物を持ってお墓へ向かうことにした。 墓地は山奥にあり、周囲にはひっそりとした古い林道が続いている。 …

秋祭りで見た狐の面をかぶった男

これはKさんが中学生の時に体験した、秋祭りでの不思議な出来事。 その日は秋の収穫を祝う祭りが盛大に行われていた。 神社の本殿にはススキや団子、お米が奉納され、収穫の恵みに感謝を捧げる飾りが秋の実りを象徴していた。 出店には栗やサツマイモ、柿な…

月見の時に見た白い影

ある満月の夜、これはSさんが体験した月見をしていた時の話。 その日はとても綺麗な満月で、Sさんは友人と三人で郊外の広場に出かけて月見を楽しんでいた。 風もなく少しひんやりとした夜。 月明かりが淡く地面を照らし、三人はしばらく無言で月を見上げてい…

襖の奥から聞こえる音

Uさんが体験したというこの話は、古い旅館での出来事。 Uさんは仕事の都合で地方の古びた旅館に泊まることになった。 その日は夕方から激しい雨が降り続いており、旅館の廊下には湿気が染みついているような重い空気が漂っていた。 彼の部屋は木造の和室で、…

深夜の山道 バックミラーに映る女

これは、数年前に知り合いのUさんが体験した不気味な話。 その夜、Uさんは仕事の関係で遅くなり、深夜に一人で山道を車で走っていた。 山道は街灯もほとんどなく、車のヘッドライトだけが道を照らしている。 車内には静かにエンジン音が響くだけで、Uさんは…

狐の面を被った男

怖い話が好きなTさんが体験した話。 季節はもう夏の終わり頃、Tさんは懐中電灯を片手に、友人たちと一緒に人家からかなり離れた神社にやってきた その神社に特に怖い話とかそういうのは何もないが、肝試しをしようという事でやってきたのだ。 時刻はすでに0…

見えない演奏者

この話を聞かせてくれたのは、Y先生という結構な年の先生で、彼がまだ新任だった頃のこと。 Y先生はその夜、初めての宿直を任されていた。 緊張とともに夜が更けていき、見回りの時間がやってきた。 校内は静まり返り、廊下には自分の足音だけが響く。 今の…

目の前で押されたナースコール

これは入院中、Kさんという看護師さんから聞いた話。 夜の静まり返った病院。 時刻は深夜、ほとんどの灯りが消され、廊下にはかすかな足音だけが響いていた。 看護師のKさんは、ナースステーションで書類整理をしていた。 ふと、ナースコールが鳴り響く。 K…

顔のような凹凸がある石

Yさんがまだ小学生だった頃の話。 学校の帰り道、普段とは違う山道を通ることにした。 その山道は山のふもとに続く古い道で、ほとんど使われていない場所。 天気もよく、Yさんは一人で静かな山道を歩いていた。 すると道の途中で奇妙な石を見つけた。 普通の…

山の奥から聞こえる祭り囃子

Fさんが大学の友人たちと一緒に、山を散歩していた時の事。 夕暮れが迫り、山の中は徐々に薄暗くなっていく。 彼らは少し道に迷ったものの、楽しげに山道を進んでいた。 だがふとした瞬間、Fさんは遠くから微かに聞こえる音に気づき耳を澄ませた。 それはか…

森の奥から聞こえる歌

夏のキャンプの夜、高校生のS君たちは、4人でキャンプファイヤーを囲んでいた。 焚き火の明かりが揺れ、火のはぜる音が心地よく響る中、彼らは楽しげに歌を歌い、キャンプの楽しい時間を過ごしていた。 その時、どこからともなく森の奥から別の歌声が聞こえ…

カランコロン

ある夏の日の午後、小学四年生のK君たちは、学校が終わってから友達と一緒に山で遊んでいた。 彼らは虫取りや木登りに夢中になり、時間が経つのも忘れていた。 しかし夕方になり、太陽が沈み始めるとそろそろ帰る時間だと気づいた。 「もう帰ろうか。」 誰か…

七人目の食器

大学時代、登山部で仲が良かったAさんたちの話。 Aさんたち六人は、夏のお盆休みを利用して山奥の小さな山小屋に泊まることにした。 事前に電話で予約を入れた際、管理人さんから 「私たち山小屋のスタッフは夕方に下山しますので、食器や寝具はあらかじめ用…

お盆 登山道をくだってくる人影

日が傾き始めたお盆の夕方、俺はとある山を一人で登っていた。 目的は山頂付近にある小さな祠。 毎年お盆には、そこに登って亡くなった祖父を偲んでいたのだ。 しかし今年は少し道を間違えたらしく、人気のない獣道に入ってしまったらしい。 辺りは徐々に暗…

迎え火で現れた老人

毎年恒例、お盆の迎え火。 パチパチと音を立てる炎を見つめながら、線香の香りに包まれ、ご先祖様との再会を心待ちにしていた。 「今年も無事に帰ってきてください」 そう呟いた時、何かが視界の端に映った。 燃え盛る炎の中に、見慣れない老人の姿が浮かび…

除霊師の一族:第四話 - 追憶の教室

藤原結衣はある日、高校時代の先輩、松本亮から連絡を受けた。 亮は結衣の高校時代の仲の良い先輩で、結衣が除霊師の力を使うことを知る数少ない一人だった。 彼は今、地方の小さな町で教師をしていたが、最近その町の学校で奇妙な現象が頻発しているという…